短編小説「明るい光」（6）

短編小説「明るい光」（6）

いつしか東の空が白み始めた。澄み切った新鮮な大気の中で赤く燃える朝だった。とりわけ静かな天気だった。

その時、車の警笛が軽く聞こえてきた。様々な難問に思い悩んでいた二人は、ふと、頭をもたげてそちらへ目を向けるが早く、席から立ち上がって正門の方へかけて行った。

部分設計図を手にして建設現場を忙しく行き来していた第1副院長も息をはずませながらかけて来た。

車が彼らの前に止まり、あれほど待ちこがれていた敬愛する金正恩総書記が車から降りた。

「金正恩総書記！」

3人ともども金正恩総書記に挨拶した。

「ご苦労さんです」

総書記は1人1人の手を優しく握って親しく言った。

「みんな現場で夜を更かしているんじゃないですか、あまり無理しないで健康に気をつけてください」
「早く完工して党の期待に報いたいのですが、そうできなくて」

副保健相は身が縮むような思いで施工初日から今までの建設の捗り具合について報告した。

その話を聞いた総書記は瀟洒なつくりの高い建物を頼もしげに眺め、その間、多くのことをしたのが分かるといった。

「建物の中に入ってみましょう」

総書記が大きく足を踏み出すと一行がその後を追った。

しばらくして、総書記は築造し始めた建物の前で足を止めた。

建物の外と1階のホールを詳しく調べていた総書記は、施工済みのホールがあまり浅いと指摘し、ホールを深くしなければ、エレガントさはそこから感じるものだと言った。

「・・・そうすれば広いホールにカウンセリング室も設け、患者のみなさんがくつろぎ、また見舞いに来た人と向かい合ってゆっくり話を交わすことも出来るでしょう」

次いで総書記は建設中の建物の外と中を隅々まで見た。そして、関係者に案内されて、リュギョン眼科総合病院の建設予想案が描かれた鳥瞰図の前に行った。

（コンテンツ―本）