短編小説「明るい光」（12）

短編小説「明るい光」（12）

金正恩総書記は時計を見て、もう時間がこんなになったのかと言い、提起することはないかと聞いた。

周りの人たちの顔は総書記が教えた通りにやればいかなる問題もゆうに解決できるという自信に満ちていた。

「あのう・・・」

何か深い思いにふけっていた副保健相がもじもじしていた。

「どんな問題でも遠慮なく言ってください。また何が必要ですか」
「さっき言われたこの二つの病院の境界線についてのことですが・・・」

副保健相は恐縮した声で言葉尻を濁した。

「あ、そのことですか。垣の代わりに何かいい案はないのでしょうか」

誰も答えられないのを見て総書記はこう言った。

「じゃ、私が一つ案を出しましょう。二つの病院の間に垣を高くめぐらす必要はないと思います」
「・・・」
「人民の便宜を図り、また、美学的に見ても不必要なものは全部なくすべきですが、立派な病院を新しく建てて置いて、城壁のように無益に垣をめぐらす必要があるでしょうか」
「・・・」
「そんなに気を使うまでもありません。自然の物をそのまま利用すればいいんじゃありませんか」
「・・・」

副保健相は自然の物という意味がすぐ理解できず、あわてた顔をしていた。

「垣の代わりに青い芝生と花畑で、分かりやすく、道徳上の境界線を作れば、リュギョン眼科総合病院とリュギョン歯科病院が明確に区別できるし、見た目にも良いでしょう」

総書記は英知に溢れる魅惑的な笑みを顔にたたえ、はっきりと答えた。

副保健相は思わず嘆声をもらした。

（青い芝生、花畑、道徳上の境界線！）

一つ一つの単語をかみ締める副保健相の胸は高鳴った。

キム・ソンギュンの胸も熱くなった。

英知の光！　総書記が人民への思いやりと献身に満ちた偉人の英知で全てを一瞬に把握し、最もな案を示したので、みなは感激を禁じえなかった。

（コンテンツ―本）