短編小説「明るい光」（5）

短編小説「明るい光」（5）

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リュギョン眼科総合病院でまた一夜を更かした副保健相とリュギョン眼科総合病院のキム・ソンギュン院長は、建設中のホールの片隅に置かれているブロックに腰を下ろして深い思いにふけっていた。

二人は金正恩総書記が建設中のリュギョン眼科総合病院の外部の予想案にもっと磨きをかけること、目の治療とメガネの矯正など、多機能化した眼科総合病院を世界的なレベルで完工することについて与えた課題を実行するため、設計と施工、運営機関との三者協議会と関係者との協議会を頻繁に開き、大衆との打ち合わせにも顔を出したりした。

施工を早める方法はないのか。高価な機器や設備はどれぐらい設置し、これから病院の医療チームはどのように整えたらよいのか・・・色々と難問は残っているが、だからといって、これといった名案も探せず、協議を重ねているだけだった。

チャン・ジュンソンは重い沈黙を破るかのように、「おい、タバコをちょっと、昨日、二箱も持って来たのに、もう底がついたよ」と言った。

「私はもう昔にタバコと別れました。ところが副保健相は未だにその習慣がついているのですか。タバコというのは百害あって一利なしですよ。それは良くご存知でしょう・・・」
「それはもちろんさ・・・いくらニコチンに毒されたとしても、心を鬼にするなら禁煙は可能だと思うけどね」
「ごもっともです。私だって何回も吸ったりやめたりしたものですが、断固と決心してとりかかるとやめることができました」

キム・ソンギュンは笑いながら副保健相と見つめあった。

「他のことでも同じだよ。決断力がなくては大事ができない。私が仕事をてきぱきと進めないのもそれが足りないからだよ」

チャン・ジュンソンは自らを責め立てた。

「決断力がないなんて、とんでもない話ですよ」

チャン・ジュンソンはハン・ジュボンに会ったことを話し、「あの先生も説得できなかったから・・・」と言葉じりを濁した。

「先日、私、建設現場で思いのほか、ハン先生に会いました。自転車でオクリュ鉱泉水を運んできましてね」
「何、ここに？」

副保健相は驚いて聞き返した。

「建設者にさっぱりした鉱泉水でも飲ませたくて来たとのことでした。別に役に立たないけれど、いつも心はこのリュギョン眼科総合病院の建設現場に馳せているので、これからはたびたび出てみると言うのでした」

慎重に話を聞いていたチャン・ジュンソンが自分の考えを言い出した。

「その心はありがたいけれど、もう年だから無理だと思うよ」
「私があれほど引きとめましたが、先生はこの建設現場に出ると若返るようだ、本当に心が安らかになる、と言っていました」

チャン・ジュンソンは目を瞬きながら、これ以上、ハン・ジュボンの話はしなかった。

（コンテンツ―本）