短編小説「明るい光」（1）

短編小説「明るい光」（1）

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うららかな春の日が続いている。生活の楽しみと幸せが暖かい日差しのようにこの国の津々浦々に染み込んでいる。日暮れまで完工を目の前にした自然博物館と中央動物園を現地指導した金正恩総書記は、帰ってきても疲れを癒そうとせず、夜通し執務を取っていた。

結論を待っている書類を詳しく検討していた総書記は、党中央委員会の担当部署から送られた資料に目を通し、感無量の面持ちで瞑想に耽っていた。産科病院のピョンヤン産院が開院してから今年4月まで、463番目の三つ子、四つ子が生まれたという内容のものだった。

昔から三つ子が生まれるのは国が興る兆しだと言った。しかも三つ子が生まれた年は、天から多福が訪れるという話が昔話のように伝えられている。2012年12月18日、驚くことに四つ子が生まれたという報告を受けた時のことが忘れられない。真夜中のことだった。緊張しすぎた夜のことだったのか、今もその日のことが記憶に生々しい。四つ子の体重がみな1.4キログラムにしかならないので、到底、生き返らせる見込みがないとのことだった。

総書記はすぐピョンヤン産院の院長に電話をかけ、最善を尽くして必ず四つ子の命を取りとめようと懇切に言った。産院の医師と看護婦みなが赤ちゃんの命を救うため取り掛かった。四つ子は奇跡的に健康を取り戻した。その時のことが嬉しく思い起こされた。

数年後、総書記がピョンヤン育児院に行った時、元気に育っているその四つ子が「お父さん！」と呼んで、駆けつけてきて抱きついたことは今も胸を熱くしている。満月のようにふくよかとした四つ子は本当に可愛かった。

3月30日に呱々の声を上げた三つ子の父親は、ラソン市ソンボン水産事業所の漁労工だという。昨年、暴雨と津波により、ラソン市が水害に見舞われたという報告を受け、現地に赴いた時のことが思い浮かんだ。苛烈な戦闘が行われる一つの戦線を思わせる復旧現場で自ら指揮を取った時のことが深い追憶を呼び起こした。

ピョンヤン産院に生まれたあの三つ子も、新しく建てられた瀟洒な家でもう大きく育ったことだろう。

それだけではない。

新しく建てられたオクリュ小児病院を訪れた訪朝客は、病院の構内とホールにある様々な乗り物を見て、まるでメルヘンの世界に来たようだと感嘆して止まなかったという。子供たちがこのようにこぎれいで立派な病院で、何の心配もなく無料で治療をうけているとは、月世界に来たようだ、わが国にも小児病院はあるが、朝鮮のように病院の中に学校まで建てた国は初めてだ、と言ったと言う。

今年の党創立記念日の10月10日前にリュギョン眼科総合病院まで建てれば人民がどんなに喜ぶだろう。

（コンテンツ―本）