短編小説「明るい光」（7）

短編小説「明るい光」（7）

8階建ての建物からなる完成予想案には、視野検査室と外傷整形科、緑内障科、そして小児眼科と免疫検査室、オンライン医療ケア室、小手術室、集中治療室、総合手術室など、近代的な治療室が一切揃っていた。

キム院長が弾んだ声で言った。

「今まで多くの国に行ってみましたが、このようにすべての設備と治療室が円滑に備えられた眼科病院は多くありませんでした」

院長の話を聞いた総書記は首を横に振った。

「そんなに言い切るのはまだまだだと思います。人民のための最高、最大の眼科総合病院を建設するのが労働党の意図ですが、設備がまだその水準に至っていません。ガラス体網膜手術器材と目の電気生理検査機器はなぜ設備予想案に含まれていないのですか」

副保健相が両手を取り合って答えた。

「最初は含まれていましたが、莫大な投資を要する先端設備なので、国の事情も困難だし、それで抜いてしまいました」
「資金のことか・・・」

しばらく間をおいて、総書記は話し続けた。

「実のところ、他の国の眼科病院ではガラス体網膜の手術を受けるのに数万ドルもかかるから、その器材を利用するのは思いもよらないことでしょう。そのような設備を持っている国がわずか数カ国しかないというから、すぐ決心できなかったと思います」

話を止めてしばらく、深い思いにふけっていた総書記は、メガネ商店はどこに定めるつもりなのかと聞いた。

副保健相は自分が思っていることを言った。

「市民の便宜を図って、都心に商店を設けようとしています」

その話を聞いた総書記は優しく言った。

「先日、とある人が、百貨店のメガネ売り場で、メガネの片隅に書かれているプラス2という数字だけを見て、そのメガネを買って来たと言いました。視力を計ってもみないで、メガネに書かれている度数だけを見て、メガネを使っているとのことです。目が遠視の人は、老眼鏡をかけると目の前がすっきりして見えるから、それが自分に合うものだと思い込んで、何の考えもなしにやたらと買ってはかけていますが、そうしてはいけません。これぐらいならメガネが自分の目にあうものだと断定し、矯正なしにそのままかけると、視力が大丈夫だった目も悪くなり、改善するどころか、さらに悪化します」

こう言った総書記は明るく笑いながら聞いてみた。

「リュギョン眼科総合病院が建てられるということを聞いて、多くの所の人たちが支援していると聞きましたが、他の病院の人たちもここに出ていますか」
「はい、トンイル通りの眼科病院の院長は、病院の人たちと一緒に、建設初期から、休日はもとより、退勤後もここに来て、建設者を手伝っています」

副保健相は赤十字総合病院のハン・ジュボン博士も現場に出ていることを詳しく言った。

「ハン先生も出ていますか」

総書記は驚いた顔で言った。

「眼科分野で名望があるその先生について聞いたことがあります。一度会って見たかったですが、今、現場に出ているかちょっと調べてください」
「わかりました。すぐ行ってきます」

話が終わるやいなや、キム院長は走って行った。

（コンテンツ―本）