短編小説「明るい光」（15）

短編小説「明るい光」（15）

金正恩総書記は敬虔な気持ちで党中央委員会の庁舎を眺めていた。

庁舎の上には赤い党の旗がなびいていた。

金日成主席と金正日国防委員長が20世紀の厳しい年代に、赤い旗を掲げて、国と人民を守り、朝鮮を輝かせたその業績と偉業を自分が引き継いで行くという責任感の強い総書記だった。

ここ数年間だけでも国にどんなに多くの変革と奇跡がもたらされたのだろう。

科学技術殿堂とミレ科学者通り、人民劇場、ルンラ人民公園とムンス遊泳場、育児院と愛育院、老人ホーム、チャンチョン野菜専門協同農場とコサン果樹栽培総合農場、ペクトゥ山英雄青年発電所をはじめ、多くのモニュメンタルな創造物が雨後のたけのこのように建てられた。

ここ数年の間には、ムンス地区にピョンヤン産院マストパチー研究所とリュギョン歯科病院、そしてオクリュ小児病院に次いでリュギョン眼科総合病院まで建てられたのだから、景色の美しく、空気の澄んでいるムンス地区は病院村と言えるだろう・・・

また一年を過ごし、新年の夜明けを迎えると肩の荷が重くなったような気持ちだ。

真面目で勤勉で素朴なわが人民の顔も浮かんでくる。

70の峠にいたるまで眼科の医療に身を尽くしてきたハン・ジュボン先生、ハンさんだけではない。他の人たちも、もう定年が過ぎたから家で楽な余生を送るようにと言われても、国に少しでも助けになる仕事を進んで探しているという。

枯れ木のような人生のたそがれに、労働党が花を咲かせたので、巨木に育って国の絶頂にしっかり立っていると言うのだから本当にけなげなことだ。

また、われわれ青年も大いに自慢したい。われ先にと骨の折れる部門に志願している。女性たちも男性に劣らず、どの持ち場でも与えられた課題を超過達成している。

まだ、足りない物が多く、生活は豊かでないけれど、みなが「われら幸せ歌う」の歌を歌いながら、他人のことにわき目も振らず、栄える国造りに励んでいるわが人民なのだ。

このような人民が国の至る所にいるのだ。

世界で一番善良なこの国の人民をどうすればもっと高く押し戴けるだろうか、その思いでいっぱいだ。

新年はもっと発奮し、一意専心、人民のために多くのことをしよう、こう決心していた。　総書記は、「祖国賛歌」のメロディーを口ずさんでみた。

総書記はこの国、朝鮮を胸いっぱいに抱いていた。

ああ、祖国！朝の国、麗しい国、朝鮮よ！

朝鮮を世界で最も偉大な国、朝鮮人民がいつも明るい光の下で幸せに暮らす社会主義強国、永遠に繁栄する国につくろう！

金正恩総書記は敬虔な気持ちで、なびいている赤い党の旗を眺めていた。

（コンテンツ―本）