古朝鮮時代の文化

古朝鮮時代の文化

古朝鮮は紀元前30世紀初めに建てられて、紀元前108年まで存続した朝鮮の歴史で初の奴隷制国家です。正式の国号は朝鮮ですが、後世の朝鮮封建王朝と区別して、昔の朝鮮と言う意味で古朝鮮と呼びます。

社会科学院の考古学研究所の研究室主任であるソン・チョルさんのお話です。

「古朝鮮の人たちは科学と文化を発展させる上でも創造的知恵を見事に発揮しました。古くから先進技術を持っていた古朝鮮の人たちは、紀元前2000年期末頃から鉄を生産し始め、その後からは鋼鉄を生産しました。土器の製造技術も発展させましたが、早い時期から土器を生活に広く利用しました。古朝鮮の人たちは冶金術と土器の製造技術だけでなく、農業と一年の行事に必要な暦も作って利用し、発達した天文観測技術と天文学的知識も持っていました」

古朝鮮時代の文化の発達振りは、発掘された遺跡を通じても良く分かります。

紀元前3000年を前後した時期に出た支石墓

古朝鮮の前期文化を代表する琵琶型短剣

青銅遺物（紀元前８世紀～紀元前７世紀）

彩文鏡（紀元前３世紀）

土器（紀元前３世紀～紀元前２世紀）

シンジ文字（古朝鮮時代の単一な民族文字）

考古学的に早い時期の遺跡には、琵琶型短剣をはじめ青銅製の武器類と労働道具、土器、馬具類、装身具などがあります。

琵琶型短剣はこの時代の代表的な遺物です。琵琶型短剣は形が昔の楽器である琵琶に似ているからそう名付けられました。古朝鮮の前期文化を代表する琵琶型短剣は、その構造や材質、剣の身と柄の形、飾り付けの文様などで固有の特徴を持っています。琵琶型短剣文化の発祥地、中心地はピョンヤンです。

古朝鮮では、「シンジ文字」といわれる固有の文字が創られ、文学と芸術も発達しました。文学・芸術作品の遺産としては「コンフイン」、箜篌引と言う歌の歌詞が今に伝えられていますが、リョオクという女性が作ったものです。それは箜篌（くご）、コンフという楽器を奏でながら歌った美しい叙情歌謡でした。

この時代の人は美しい風習も持っていました。粟ときび、もろこし、大豆、麦、稲など色々な穀物を栽培してそれを主食とし、家畜の肉と魚を材料とする食べ物も作って食生活に利用しました。早くから大痲を栽培し、蚕も飼って布を織り、原始的な掘っ立て小屋から抜け出て、地上に暖房施設を持つ家をつくって暮らしました。

古朝鮮の文化遺産は、その後の民族文化の発展に大いに寄与しました。

（文化―歴史）