文化生活の一面

文化生活の一面

ここで朝鮮人民の文化生活の一面を覗いて見ましょう。草花を育てること、これもやはり、文化生活ですが、朝鮮人民の間にこの草花を育てる人が大勢います。いわば、文化生活でこれにウエートを置いているわけです。街と村、職場だけでなく、普通の家庭でも色々な草花を育てています。

ピョンヤンのチュン区域*1のトンアン第1洞*2、日本で言う町のことですが、その第63居住人民班*3に住むキム・ヨンスクさんもその一人です。

同じ人民班のキム・ヘギョンさんのお話を聞いてみましょう。

「うちのアパートでは花を育てるのが一つのブームとなっていますが、特に春ともなりますと、家々に花が咲き誇り、その香りがあたり一面に漂う、ほんとに見ものですね」

ご紹介するキム・ヨンスクさん、お年寄りですが、キムさんはこの人民班きっての「園芸師」だそうです。キムさんの家には植木鉢が数十個もあるそうです。ウコギとオリヅルラン、チトセラン、サボテンとゼラニウム、ハナキリンなど美しい草花が勢ぞろいしています。

キム・ヨンスクさんに言わせますと、奥床しい香りの中に美しく咲いた花を眺めると、頭がすっきりして、ひとりでにゆかいになる、草花を育てるのは生活に情緒と喜びを足してくれるとのことです。

「私の経験によりますと、花を育てるのは子供の教育にプラスとなります。花を育てながら子供たちがおとなしくなり、自分が育てるという自信に満ちて花に関心を持つようになりました」

嫁のリ・グムスンさんはこう話します。

「花を育てるのが美しさだけを与えるのではありませんね。健康にもとても良いといえます」

キム・ヨンスクさんは毎年、多くの花を育てて息子と娘の職場、そして孫たちの幼稚園と学校にも送ってやり、街と村の周辺にも植えるとのことです。丹精して育てる鉢植えですが、回りの人たちに分けてやったり、経験と知識を教えたりするキムさんです。

そうするうちに自分の家族だけでなく、隣にも情が移ると言います。

（文化―くらし）