古典落語名作選集「林家三平」

本名海老名泰一郎。大正14年11月30日、七代目林家正蔵の長男として生まれる。21歳父のもとに入門、父没後橘家圓蔵（もと父の弟子）を師とし、昭和33年に真打。テレビ、高座と幅広く活躍し、明るい持ち味をいかした独特の芸風で一世を風靡する。昭和55年9月20日死去（54歳）。

三平の『源平盛衰記』

いわゆるパロディ落語の一つ。古典文学を下敷きにしたもので、略して『源平』とよばれている。英雄名将や貴妃公子たちを登場させ、義経の生い立ちから壇の浦合戦までを絵巻物風に構成し、随所に抱腹絶倒のギャグを投入している。
三平の父は、独特の奇声とナンセンス感覚で人気のあった七代目林家正蔵で多くのレコードを残しているが、『源平』は正蔵落語中の傑作だった。三平は父の遺産を継承しながら、さらに正蔵落語を脱線させて客席の爆笑を誘う。
ビデオテープで今は亡き三平の高座に見入る時、この落語家の徹底したサービス精神にあらためて感嘆する。

昭和54年NHK放送

映像付録『三平・思い出アルバム』

20秒に1回笑いをとったと言われる、昭和の爆笑王・林家三平の生涯、ギャグ、マルチタレントぶりをスチール写真と音声で再現。最後に「清書無筆」（昭和52年）のまくらを収録。

新潮ビデオ『古典落語名作選集』
協力：NHK
製作・発行：NHKソフトウェア
販売：新潮社
口演：林家三平
収録：イイノホール
資料提供：ねぎし事務所
デザイン：スピアヘッド