笑い声溢れる島

笑い声溢れる島

ルンラ島*1はピョンヤンの都心を流れるテドン川*2に浮かぶ美しい島です。

島には人民のための総合的な公園が築かれ、ここからは四季を通して笑いの声が絶えまなく響いています。遊園地からも、イルカ館からも、鏡の家からも、笑いの家からも響きます。

人口衛星のような形のこの家も例外でありません。大きくはないですが空と大地、海が全て入っており、過去と現在、未来が流れているところ、来客でいつも賑やかな3D映画館です。「マシク峰スキー場で」、「恐竜時代の終焉」、「楽しい海での冒険」、「世界旅行」、「美しいピョンヤン」などの映画が封切られています。

今日も多くの人が数十編の題名が書かれた掲示板の前に集り、映画の選択に夢中になっています。空をテーマにした映画が素晴らしい、海の映画がもっと凄まじいとわめく若者やもう1回見ようとねだる子に引かれてまたもや映画館に入る大人もいます。

映画館の従業員ソン・オクヒャンさんのお話です。

「毎日、本当にたくさんの人が来ます。老若男女を問わずみなが好きだと言っています。わけても『恐竜時代の終焉』や『美しいピョンヤン』のような映画が一番人気で、何度も見に来る人がいるほどです」

観客はここで1億5千万年前にさかのぼって恐ろしい恐竜に呑まれたり、海の中でサメと格闘をするなど様々なバーチャルリアリティーを体験します。果てしなく伸びるスキーコースに沿って急滑りするマシク峰の銀世界への旅や日々、美しく変貌するピョンヤンの姿を見下ろす空中での散歩やはりとても素敵です。

スリル満点でワクワク、溜め息の連発、来客をひきつけるこの映画館ならではの魅力はここにあります。ほんとうにいいね、10年は若返ったようだと言いながら映画館を出る人たち、その笑い声まで加わり、ルンラ島からの笑い声はいっそう高まります。

テドン川の水面にしなやかに垂れている柳がまるで清い水の上に錦を広げたように美しいと言ってルンラという名のついたこの島ですが、人民の笑い声溢れる今の現実はその名を「笑いの島」に変えてしまうかも知れません。

（今日の朝鮮）