対立を深める日本の政界

対立を深める日本の政界

日本で、首相と野党の対立が日増しに表面化しています。

先日、民進党と共産党、自由党をはじめ日本の各野党の国会対策委員長は会談を開き、国会で安倍政権に対抗する為の連帯を強める事にしました。一方、立憲民主党代表は日本教職員組合が開いた会議で、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法を口実に憲法を改悪しようとする安倍を辛辣に非難しました。代表は聴衆の前で、「9条に手を加えさせては絶対にならない、妥協しない姿勢で徹底的に闘う」という決意を表明しました。

野党のこうした動きは、日本全域で高まっている反安倍の機運に乗じたものだと言えます。今日本では安倍政権に反対する機運がますます高まっています。それは安倍政権の政治が日増しに極右に傾き、これに日本国民が強い不安を感じている為です。

安倍は政権の座に就いた後、歴代の政権以上に再侵略の野望の実現に拍車をかけています。自分の政治勢力が日本の政界で采配を取っている機会に乗じて、平和憲法の改正に躍起になっている安倍は昨年11月の国会参議院予算委員会で、憲法9条に自衛隊の存在を明記し集団的自衛権の行使を容認しようとの見解を示しました。安倍政権は憲法改正に拍車をかける一方、史上最大規模の軍事費の予算を策定し攻撃用先端兵器の購入に莫大な資金をつぎ込む等、軍事大国化に拍車をかけました。

過去の戦争の惨禍を骨身に沁みて痛感している日本国民は、そのような災いが繰り返されるのではないかという不安感を抱いています。時となくあちこちで行われる戦争さながらの退避訓練と駐留米軍による頻繁な事故が、日本国民の不安感を一層煽っています。その為今、日本国内では安倍政権が強行推進している戦争政策に対する不満が募り、これはそのまま安倍政権への不満に繋がっています。

こうした中、安倍とその一族のスキャンダル事件が表面化して、反安倍の機運を一層高めさせています。野党は日増しに高まっている安倍政権に対する日本国民の不満に乗じて、安倍の長期政権にピリオドを打ち政権奪還に有利な環境づくりを図っています。安倍政権に決定的な打撃を加えるには、各党の力が微弱で四分五裂の状態では安倍政権を倒す事が出来ない事を知った野党は、日本国民が鋭く反応する憲法改正と安部政権のスキャンダルを執拗に暴き立てる一方、一時連帯して安倍政権に甚大な打撃を加えようとしています。

アナリストと専門家達は、日本で日増しに表面化している安倍政権と野党との対立について、「安倍政権に深刻な政治的危機が迫っている」と評しています。

（時事評論）