アニメ「ちょうちょうとおんどり」

アニメ「ちょうちょうとおんどり」

このアニメは偉大な金日成主席が話した物語を脚色したものです

ちょうちょうとおんどり

或る花園の朝、チョウが起き出して花の蜜（字幕では蜂蜜）を集めに行く。

ノラン「まあ、日が昇ったわね。みんな、蜂蜜の集めに行こうよ！」
チョウ「はーい、早く来てね」
チョウ「一緒に」
青い羽「あれ、ノランは早くも起きたわね」
チョウ「わ、早く行きましょう」
ノラン「みんな、あっちを見て」
青い羽「かえるさんたちが？」

池のカエルが葉っぱの船を漕いでいる。小さいカエルはまだ上手く漕げない。青い羽のチョウが後ろから押してやる。

カエル「これどうして進まないのかな？」
青い羽「ワッハハハ、私が押してあげるよ」
カエル「わ、いいなあ」

♪花の香りいっぱいの園
♪いとしいわれらのゆりかごよ
♪ひらひら　花園を離れて生きられぬ
♪ひらひら　生きられぬ

ノラン「あれ、ゆり園のアラクさんが？」

一羽*1のチョウがオンドリに追われて逃げて来る。

オンドリ「こいつ、どこへ行ったの？」
カエル「あれ、おんどり？」
カエル「水中へ！」
オンドリ「ウフフ。まだ、遠くまでは逃げていないんだな」

逃げるチョウを追いかけるオンドリ。

オンドリ「こら！」
アラク「助けて！あっ！」
ノラン「あれ、どうしたらいいの」

捕まえたと思ったら逃がしてしまうオンドリ。

オンドリ「また、どっちへ逃げちゃったの。おかしいな」
ノラン「アラクさんが」
オンドリ「確かにこの辺あたりにいるはずだが」

花の陰に隠れているノランを見つけたオンドリ

オンドリ「これはこれは、そんなに花びらにくっついていたら見えないとでも思っているのかい」
青い羽「アラクさんを助けなきゃ　こいつめ！」
オンドリ「これはまたなんだ！」

青い羽がオンドリに向かっていくが、翼で風を起こされて池に落ちる。

オンドリ「ワッハハハ！　あ、あいつより少し大きいな。ところで、こいつをどう引き出したら良いかな」

草の茎を抜いて棒のように使って、池に落ちた青い羽を引き寄せようとするオンドリ。心配そうに見守るカエルとノラン。

カエル「あれ、どうするつもりなの？」
オンドリ「こっちへ来い。さっさと私の口の中へ入って来い」
ノラン「そうだ！　この花粉を撒いて目が見えないようにする！」
オンドリ「さっさと私の口の中へ入って来い」
ノラン「こら！やっ！」
オンドリ「あ、いた！いたい！　目が見えないぞ！あ！誰だ！」

その隙に青い羽を助けるカエル達。

オンドリ「誰がわしにとんでもないことを！」

ノランを捕まえようとするオンドリ。しかし飛べないので取り逃がしてしまう。

ノラン「あいつは羽は大きくても高く飛べないのね」

オンドリ「こら、お前がそう逃げ出したら素直にわしが退くとでも思っているのかい　とんでもないぞ」

腹癒せに花園を荒らし回るオンドリ。

青い羽「あれ、汗水たらして集めた蜂蜜を残らずみんな」
オンドリ「これは　また　なんだ！」
ノラン「こやつめ！なぜ他人の園を荒らすの！」
オンドリ「なんだと？　わしはこの園の王さまだ！　だから、わしが荒らしたいならこんなに　こんなに荒らし、食い殺したいなら食い殺してしまうぞ！　お前たちはわしに無条件従わなければならんぞ！　コケッコウ！」

オンドリに荒らされた花園。

ノラン「アラクさん、目を覚まして！アラクさん！」
アラク「助けてくれてありがとう」
ノラン「いったい、どうしたの！」
アラク「おんどりが私たちのゆり園に襲い掛かって多くの仲間を殺したのよ！」
青い羽「そいつのため、安心して暮らせないな」
カエル「兄貴、また、おんどりが襲い掛かってくるだろうが、どうしたらいいの？」

ノラン「みんなでそいつを打ち倒すことはできないかしら？」
青い羽「何、私たちはおんどりの相手にならないんだ　そいつが翼を持って起こす風にも飛ばされるのに」
カエル「俺はそいつの足の爪とくちばしを見ただけでも怖いんだ！」
アラク「だめ！止めなさいよ！」
ノラン「だからといって、死ぬのをじっとして待っているわけにもいかないよ　ちょっと、さっき」

ノランがオンドリに追いかけられた時、オンドリがいくら羽ばたいても高く飛べない事を思い出す。

ノラン「そいつの弱点を利用して挑んで見よう！」
青い羽「まあ、殺されるかも知れないぞ」
アラク「かもね」
ノラン「そいつを殺してはじめて*2、私たちは安心して暮らせるのよ　私はおんどりに挑んでみる」
青い羽、アラク「ノランさん！」

オンドリを殺す為に飛び立っていくノラン。場面は換わって意気揚々と歌を歌うオンドリ。

♪わしは王さま　花園の王さま
♪わしの姿　見ただけでみんなおじける
♪花園を荒らしても
♪ぶるぶるふるえて出られない
♪花園を荒らしても
♪ぶるぶるふるえて出られない

ノラン「さあ、私がでたよ　どうするつもり？　お前が王さまだと？笑わせるな　戦ってみよう！」
オンドリ「な、なに？戦う？誰と？」
ノラン「お前と」
オンドリ「わしと？　なまいきだ　目にもとまらないお前のようなものが」

ノランを追いかけるオンドリ。

オンドリ「こら、あれ、おれを馬鹿にするのかい、こいつめ！

勢い余って池に飛び込むオンドリ。

カエル「やー！　おんどりがおぼれた！」

池が浅く溺れずに出て来るオンドリ。

ノラン「あれ、あいつを浅い水に落としてはいけない　どうしようかしら？　あ、そうだ　あいつを怒らせよう」

オンドリをおびき寄せて崖下の海（湖？）に落とすつもりのノラン。

オンドリ「しまった、ずぶぬれになった」

ノランは歌を歌い踊りながら、オンドリを油断させようとする。

♪花の香りいっぱいの園
♪いとしいわれらのゆりかごよ
♪ひらひら　花園を離れて生きられぬ
♪ひらひら　生きられぬ

オンドリ「高く飛べるあいつを手に入れなきゃ　良い手はないか？　そうだな、近付かせて」

オンドリの方も自分より高く飛べるノランを油断させて捕まえようと考える。

オンドリ「お前、踊りが上手だね　我知らずうきうきして肩をゆすってしまう　ああ　よしよし、あらえっさっさ」
ノラン「（きちがいみたい）」
オンドリ「その踊りをわしにも教えて、おねがい」
ノラン「花園を荒らしたお前に踊りを教えるなんて、とんでもない」
オンドリ「もちろん、お前がわしを憎んでいるのは知ってる　これからは絶対、悪いことはしないから　わしが好きなその踊りを教えてね、ノランさん」
ノラン「なら、教えてあげようかな」
オンドリ「どうぞ、教えてくれ、いいな」
ノラン「よし、私について踊ってみなさい」
オンドリ「でも、ノランさん、お前の体が余りにも小さくて　そのきれいな踊りが見えないぞ　もどかしいな　もっと近付いて踊れないかな、ね？」
ノラン「（近付いて怒らせよう）」

オンドリの鶏冠の上に止まるノラン。

ノラン「どう？よく見えるの？」
オンドリ「よく見えるよもちろんそうだよ　（わしの頭の上にのっかって、なまいきだ！）　で、どう踊るんだと？こんなに？」
ノラン「いやいや、そうじゃなくて、肩はうきうき」
オンドリ「うきうき」
ノラン「腕はしんしんと」
オンドリ「わしはちょうちょうの兄弟になりーいっ　お互い仲良く暮らそう」

ノランに乗せられた風を装い油断させて、両手で（両翼で）頭上のノランを挟むオンドリ。

オンドリ「こいつ！えへへ！手に入れたぞ！不届きめ！」

その様子を見ていた一同が驚く。

オンドリ「ワッハハハ！いいな、いいーなあ！　こいつ、死んでしまえ！やーっ！」

両手で（両翼で）挟んだノランを潰そうとするオンドリ。潰したノランを見ようと手を（翼を）開くが、ノランはいない。オンドリの尻尾にしがみ付いていた。

オンドリ「ちょっと見ようかな！　おや、わしの翼には穴がないのに　どこへ逃げちゃった、おかしいな」
カエル「ワッハハハ　自分の尻尾についているのも知らないくせに」
ノラン「フン、私を捕まえてみると？とんでもない！　私はこんなにブランコに乗っているのよ　アッ、ハハハ　こーれ、私が見えないの」

オンドリ「こいつを！　腹が立つぞ！　歌まで歌っている」

挑発されるオンドリ。唇は噛めないので肉垂を噛む演出。尻尾の先にいるノランを啄ばもうとグルグル回るオンドリ。

青い羽、アラク「ノランさん、逃げなさいよ！」

目が回って倒れるオンドリ。

カエル「ワー、おんどりがへとへとになった！」

オンドリ「まだまだ」
ノラン「このおんどりめ！　お前のようなやつは十、百でも自信があるよ！」
オンドリ「自信があるんだと？！こいつ！」

起こって追いかけるオンドリ。

ノラン「また、捕まえてみて！」

木の幹にぶつかって嘴を突き刺してしまうオンドリ。

オンドリ「あいご！その口ったら！」

抜け落ちたオンドリの羽が不自然に動く。訝しがるオンドリ。ノランが隠れていた。

オンドリ「こいつ、止まれ！」

ノラン「卑怯者！どうぞ、私を捕まえてみて！」
オンドリ「必ず、お前を捕まえてみせるぞ！」

追いかけるオンドリ。

ノラン「今度は茨の藪のほうへ！」
オンドリ「あ、いた（痛）」

オンドリの足の上に大きな石が落ちる。

オンドリ「足が痛い　天地がぐるぐる回るな　こいつ、この次は」

疲れ果てたオンドリ、諦めて帰ろうとする」

ノラン「（あいつをそのまま生かせるわけにはいかない　最後まで戦ってけりをつける）」

ノラン、怪我をして飛べない風を装う。

オンドリ「どうしたことだ？」

駆け寄る青い羽とアラク。

ノラン「私は羽を傷つけられて飛べないんだよ」
オンドリ「（何？羽を？）」

ノラン「（みんな、あのおんどりを崖のほうへおびき出そう！早く！）」
青い羽とアラク「（分かったよ）」

オンドリ「こいつら！みんな最後を覚悟しろ！」
アラク「ノランさん、早く！」
青い羽「アラクさん、ノランさんの手をしっかり握って！」
ノラン「私のことは心配しないで早く！」
青い羽「早く！早く！」

逃げるチョウと追いかけるオンドリ。崖の上で草の茎を掴んむノラン。それを引き上げようとする青い羽とアラク。オンドリが十分近づくのを見計らって手を離すノラン。上空へ舞い上がるチョウ。オンドリはそのまま崖下へ。水中でオンドリの足を引っ張るカエル達。

ノラン「やー、勝ったよ！」
アラク「ノランさんはおんどりに勝てると思ったの？」
ノラン「力だけで敵と戦うわけないじゃない」
青い羽「おれはおんどりに勝てるとは思いにも寄らなかったの」
ノラン「いくら体が大きく、力持ちだとしても　恐れずに妙策で戦えばかてるのよ」
アラク「だから、おんどりに勝った私たちが一番強いよね」
青い羽「本当にそうだな」

♪体を頼りに襲い掛かるもの
♪知恵で持って立ち向かう
♪誰も花園荒らせない
♪自分の力で花園守っていく

（芸術）

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