1人ぼっちの島国の運命

「1人ぼっちの島国」の運命

大勢を知らない日本の政治的未熟さが、引きも切らず明るみに出ています。

最近、日本外相河野は或る講演会で「北朝鮮の魅力攻勢に性急に反応してはならない、急ぐ必要は全く無く、却って北朝鮮に利用される恐れもある」等と、またもや朝鮮半島の対話ムードに水を差す発言をして内外の非難の矢面に立たされました。

安倍政権の度重なるこのような発言について先日朝日新聞は、「日本は北朝鮮を中心に広まる北東アジア地域の外交熱風の中で、孤立されるのを恐れている。地域の情勢が急変しているにも拘らず、一人ぼっちになる事を国民が懸念している」と伝えました。

自他共に認めるように安倍政権の旧態依然とした朝鮮敵視強行政策と態度は、地域情勢の流れの淵に追い出された島国の者達の困窮した不平をこぼしたに過ぎません。

今、日本が深く懸念している『日本疎外』の現象は、他国によってではなく日本が自ら招いたものです。地理的時間帯に於いては毎日、毎時刻、前に位置している日本ですが*1、政治的時間表に於いては常に、地域及び国際社会で後になるしかないのは日本の政治自体に問題があるからです。

「抜け駆けの日本政治」という一部の見解と違って安倍政権の政治的近視眼と後進性は、日本の歴史上最悪を記録しています。その言動の全てが周辺国の要求や利害関係とは無縁に、またそれを悪用して自分の利益だけを得ようとの、低俗で一方的なもので貫かれています。

朝鮮敵視強硬政策ひとつだけを見ても、国内政治の反動化、極右化だけでなく日本の再武装と軍事大国化にも盗用し続けたので、安定と和解のムードを求める地域諸国の強い警戒心によって排斥され、情勢の流れの淵に追い出される結果だけを招きました。

この程「誰某の海上密輸活動を監視すべきだ、負担の共有、監視分担」等を唱えながら、共和国に対するプレッシャーでの強調に他国まで引き入れようとしましたが、沈黙と冷遇にぶつかったのは他に原因があるのではありません。

日本はアジアの国ですが地理的にはアジア大陸と離れた島国です。地域の要求と大勢を知らなければ、政治的にも孤立した一人ぼっちの島国の運命を永遠に免れないという事を、日本は銘記すべきでしょう。

（時事評論）