旧正月とトック

旧正月とトック

昔から祖先は月の形の変化による旧暦を使い、旧の1月1日、つまり旧正月を祝いました。今年の旧正月は2月5日に当たります。

旧正月は、古朝鮮をはじめ古代国家時代からありました。その後、コグリョ、高句麗、コリョ、高麗を経て朝鮮民族の伝統の風習として今に引き継がれています。祖先は、旧の大晦日には、晴れ着とおせち料理をこしらえ、松の木、鶴のような長寿を意味する絵を箪笥や屏風に貼りつけて祝日ムードを盛り立てました。

旧正月になると、先に逝った祖先にまず供養し、目上の人に旧正月の挨拶をしました。そして、ゆっ遊び*1、板跳び、子供たちの凧揚げと橇乗りなど伝統の遊びに興じました。旧正月にほかのご馳走とともにトック*2を欠かさず食べるのがひとつの慣わしになっています。家庭では、客にトックをもてなすのが礼儀となっています。

社会科学院のフォークロア研究所の研究者アン・ヒョンチョルさんのお話です。

「トックが旧正月と縁が深いので、民間にはトックにまつわる話がおおく伝えられています。正月に年がひとつ増えるのをトックになぞらえて『トックを食べる』とか、元旦に大人が子供に年を聞く場合、『トックを何倍食べたのか』と聞いたりしました。トックはもともと雉肉のスープで作ったのですが、雉がそなわないと鶏肉のスープで間に合わせました。それで『雉の代わりに鶏』ということわざもできたのです」

トックは、言葉そのままに餅で作ったスープです。トックは白米の粉で作った餅を凍らせて、一定の大きさで切り、雉肉のスープに入れて煮た後、ねぎ、胡椒、海苔などをいれて作ります。餅だけではなく、いろいろな材料を入れるので栄養学的にも優れ、また、寒い冬に体を温めるので誰もが好みます。

民族の香りを漂わせる朝鮮の旧正月の風習は今に伝えられています。

（観光）

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