人気のある民謡歌手

人気のある民謡歌手

今、お聞きの曲は、共和国のマンスデ芸術団専属歌手、功労俳優の称号を受けたキム・イルファンさんの歌です。

ピョンヤン市*1ポトンガン区域*2のテボと言う町*3にすむチェ・ジョンオクさんのお話です。

「私は民謡が好きですが、中でも、キム・イルファンさんの歌が一番好きです。さっぱりしていて興をそそるようなキムさんの歌を聞いていますと、うきうきして肩をゆすったりしますけどね。まあ、そのメロディーに民族の香りがいっぱい溢れているとでもいえましょうか」

キムさん一家は、3代が人気のある歌手でした。祖父のキム・ジョンファさんは、1960年代に朝鮮で創作された中国の歌劇「紅楼夢」の主人公として名を馳せました。父のキム・ヨンハさんも人気のあるテノールでした。それで、キムさんは子供のときからよく祖父や父の真似をしました。

遺伝だと言えるほど家門の声をそっくり継いで、人々からまた一人の民謡歌手が出たと言われたりしました。9つの時から専門教育を受け、その才能はめきめきと伸びました。早期声楽クラスを出て大学に上がったキムさんは民族声楽と共に洋楽声楽も学びました。

その技量は現役生活の過程にさらに頭角を現しました。特に、民謡調の歌が上手でしたが、代表的なものは「黄金の山タリョン」、「豊作の鳥が飛んでくる」、「今日のチャンソン」、「海の歌」です。

マンスデ芸術団のオ・ヨンチョル監督のお話を聞いてみましょう。

「キム・イルファンさんの音色は鼻音が基本ですが、これに柔らかくて澄んだ声が重なって、風味のあるのが特徴です。また、メロディーのトリルはもとより、リズムがとても自然なので私たち監督もよく驚いたものです」

チュチェ99（2010）年、朝鮮で歌劇「紅楼夢」が再演されましたが、キムさんはここで主人公の役に当たりました。同年5月の中国ツアーでも情緒豊かな声で立派に歌い、絶賛を博しました。

キムさんは、個性に富んだ歌を歌って偉大な金正日総書記からハイカラ歌手だという身に余る評価を受けました。

キム・イルファンさんのお話です。

「普通、私のことを家門に恵まれていると言います。しかし、私の才能は単なる遺伝によるものではありません。才能の芽を育んでくれた有難いこの国の下で、人民に愛される民謡歌手になれたのだと思います」

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