乱暴な国権蹂躙

乱暴な国権蹂躙

1919年1月、朝鮮封建王朝の26代王だった高宗*1が67歳で亡くなりました。当時の記録によりますと思いもよらぬ急死で遺体は手足が酷く腫れ上がり舌が爛れる等、見た目にも残酷な状態でした。

あれから1世紀近く過ぎた2010年、或る国際学術討論会で高宗の死因が議論されましたが、1919年、当時の日本宮内庁の会計審査局の長だった倉富勇三郎の日記が公開されました。日記は初代朝鮮総督の寺内が朝鮮駐屯軍司令官長谷川に乙巳5条約（日本でいう第二次日韓協約の事です）、この乙巳5条約を認めない高宗を毒殺する事を指示したとの話を聞いたと書いています。それだけではありません。

社会科学院歴史研究所の研究者ハン・チュンシク*2さんのお話です。

「1921年、中国上海にあった臨時政府が発表した第2回独立宣言書と高宗の庶子である義親王の親書に、『高宗の死亡後、全身に赤い斑点が多く出来ていた。2人が遺体を検死した時、全身に赤い斑点と共に糜爛が多く出ているのを発見して毒殺だと主張すると、日帝は2人を監禁した』という内容が書かれていました。日帝は高宗の死亡経緯を目の当たりにした2人の侍女も殺しました。これ等の資料を通じて高宗が誰によってどのように死亡したのか分かるでしょう。日帝にとって高宗は朝鮮に対する植民地支配の実現に大きな障害となりました。1905年、日帝が朝鮮の外交権の強奪を狙った乙巳5条約の締結を朝鮮封建政府に迫りましたが、当時皇帝だった高宗は日帝のこの要求を断固跳ね返しました。悪辣な日帝によって乙巳5条約が捏造された後はその無効化の為の秘密外交を展開する等反日の立場を通しました。高宗皇帝は1907年6月、オランダのハーグで開かれる第2回万国平和会議に3人の特使を派遣して乙巳5条約が不法である事、日帝の朝鮮に対する植民地支配が不等である事を世界の前で暴くようにしました。これを機に高宗皇帝の強制退位を狙っていた日帝は朝鮮の特使派遣は日本に敵対する行動だとし、その退位を露骨に迫りました。高宗皇帝が頑なに反対すると狡猾この上無い方法で退位させました。そして2度と高宗が反日関連の活動が出来ないよう、その存在自体を完全に取り除きました」

このように日帝は乙巳5条約捏造事件の真相を覆い隠し朝鮮を完全な植民地にしようと一国の最高主権者を強制退位させただけでなく、毒殺するのも躊躇いませんでした。

これは乱暴な国権蹂躙であり暴虐で野蛮な、また厚顔無恥な日帝を告発しています。

（時事評論）

• 2017.02.23 朝鮮法律家委員会スポークスマン22日の談話（朝鮮公民毒殺事件）