クムガン山のミョンギョン台

金剛山の明鏡台

クムガン山、ご存知ですね、朝鮮の名山金剛山*1です。峰が多く、昔から一万二千の峰があると言われるクムガン山。その西部、内クムガンエリアにミョンギョン台*2という名所があります。

ミョンギョン台は高さ90メートル、幅30メートルの赤みがかった黄色い岩です。岩の表面は磨き上げられたかのように滑らかで、誰かが巨大な鏡を山の斜面に立てておいたようです。それで、明るい鏡、明鏡台、ミョンギョン台という名がついたのかもしれません。

岩の鏡は上る朝日で銀色に輝き、沈む夕日で金色に光ります。ミョンギョン台の下に池があります。玉のように清らかな水面には小波ひとつありません。モミジ美しい秋のミョンギョン台の映える池は、風景画そのままです。

池の下のほうにくぼんだところと、細長い溝のあるペソクという台があります。ミョンギョン台に古くから伝わる伝説によりますと、人が跪いたあとと流した涙のあとだそうです。昔からミョンギョン台は人々の心の中まで見抜く不思議な鏡としてそのうわさが立ちました｡

ペソク台に立ち、ミョンギョン台に向かって跪き、顔を伏せるとその人に罪があるか、ないかをミョンギョン台が照らし出すというものです。ペソク台の長細い溝は罪ある人たちが流した涙の跡だそうです。

ミョンギョン台のこの伝説は、この地方の伝統の踊りにも出ています。勤勉でまじめな人がミョンギョン台の前に立つと鏡にはきれいな姿が映り、怠け者で邪悪な心を持った人は何も映りません。人々は自分の姿が鏡の岩に映らないことを恐れ、いつも勤勉で優しい心を持つようになったといいます。

この地方の女性たちはミョンギョン台の前を通るときはいつも互いに姿を照らして見ながら、踊りに興じましたが、それが伝統の踊りとして代々伝わってきました。その踊りには労働を愛し、むつまじく暮らそうとの朝鮮の女性たちの清らかな精神が宿っています。

皆さん、訪朝の折は、クムガン山に登って、ぜひ、このミョンギョン台に自分の姿を映してみてください。

朝鮮の名山クムガン山*1のペクチョン洞という谷間には、鏡を山の斜面に立てておいたようなミョンギョン台*2という名所があります。漢字で書きますと、明るい鏡の台という意味ですが、高さ90メートル、幅30メートルの岩の表面は磨き上げられたかのように滑らかで、銀色と金色に光ります。

伝説によりますとミョンギョン台は、不思議な鏡として人々の心の中まで見抜く、といいます。下には溝がありますが、ミョンギョン台に向かってうつぶせになった「罪｣のある人が流した涙の跡だといいます。

ミョンギョン台はその伝説と共に、今もクムガン山の絶妙な景色に彩を添え、訪れる人々に喜びを与えています。