1894年の農民戦争

1894年の農民戦争

朝鮮の封建王朝時代の1894年、全国的な農民戦争が起きました｡1894年は朝鮮の歴史で甲午の年と呼ばれています。ということで、この農民戦争を甲午農民戦争と言っています。

社会科学院歴史研究所の研究室主任、博士のウィ・グァンナムさんのお話です。

「甲午農民戦争は朝鮮の歴史上かつてない規模の反封建反侵略闘争でした。当時、チョンラ道のコブというところで起きた農民の暴動をきっかけにこの闘争は人民を絞るだけ絞り、贅沢三昧をほしいままにして退廃した生活にふけっていた封建支配層と朝鮮を占領しようと襲い掛かった外国の侵略勢力に大きな打撃を与えました」

この農民戦争の指揮者はチョン・ボンジュン（全琫準）という人でした。1894年2月22日、陽暦では3月28日、チョンラ道のコブ地方の農民たちは貯水池の水にも税金を賦課して強制的に取り立てようとする支配層に抗して暴動を起こしました。チョン・ボンジュンの指揮の下、農民軍は地方軍と官軍に甚だしい打撃を加え、成果を拡大していきました。チョン・ボンジュンは、「輔国安民」、「悪政撤廃」という内容の檄を飛ばして国中の農民たちが戦いに加わることを呼びかけました。

この時からコブ農民暴動は全国的な大規模農民戦争に拡大しました。農民軍はチョンラ道地方の中心地であるチョンジュまで進出して官軍を退けました。農民軍を鎮圧することが出来なくなった封建支配層はチョンジュで農民軍と和議を結び、12ヶ条からなる要求条件を無条件、受け入れました。こうして農民戦争は一旦、幕を閉じました。

その後、日本の侵略者の武力干渉が日増しに露骨になり、国の生死に関わる危機が迫るや農民軍は再び決起しました。農民軍は「斥和斥洋」のスローガンを掲げ、日本の侵略者と命をとして戦いました。農民軍の主力は日本の侵略軍と官軍の「討伐」拠点であったコンジュを攻撃しました。およそ20日間にわたるコンジュ激戦は熾烈をきわめました。農民軍は次々と味方が倒れ､砲弾が炸裂する中にも屈しないで戦ってまた戦いました。

コンジュ激戦を前後して農民軍はいたるところで日本の侵略軍に甚大な打撃を加えました。しかし封建支配層の売国行為のため、農民軍は危険に直面しました。裏切り者の密告により、指揮者のチョン・ボンジュンも犠牲になり、農民軍は解散せざるを得なくなりました。こうして国中を揺るがした甲午農民戦争は終わりました。

甲午農民戦争は正しい戦略戦術と統一した指導がなければ戦いに勝つことができないという真理を残し、その後の反封建反侵略闘争に大きな影響を与えました。