朝鮮画「破れた強大さの神話」

朝鮮画「破れた強大さの神話」

朝鮮画「破れた強大さの神話」は、1950年代初めの朝鮮戦争でのアメリカと追従勢力の敗戦ぶりをリアルに表しています。作品は、前線に増派される米軍部隊と前線から大惨敗を喫して列車で運ばれて来た部隊との交番を鋭い劇的な筆遣いで表現し、下り坂を歩み始めたアメリカの運命を示唆しています。

作品はアメリカは決して「世界最強」を誇る神話の中の存在ではなく、その神話はことごとく敗れたということを思想性・芸術性共にパーフェクトに表しています。ただ今、到着した列車から降りた米軍の負傷兵は人民軍に叩きつけられて、惨めな格好をしています。精神病者、目の見えないもの、瀕死の状態で背中に負われているか、松葉杖をついている米軍兵士、負傷兵を運ぶ兵士たちの気が抜けた姿、次から次へと降ろされる死体などなど。

一方、出発しようとする列車を取り囲んでの米軍の様々な姿は作品のテーマを浮き彫りにさせています。戦闘で功を立てれば、神様の懐に抱かれると、くどいくらいに説教したが、どうしたことか、惨敗を重ねていると弁解じみたことを並べ立てる宣教師のそばの米軍将官は恥ずかしさにもだえながらも、殺気がみなぎる目つきをしています。

アメリカの変わらない侵略の本性をそのまま表しています。

兵士たちは皆が皆、自分たちが思っていた「強大な米軍」がどうして無残に敗れたのか、という恐怖と絶望に陥っています。米軍は決して強くないとささやき合う兵士、神も仏もない、私にも同じ運命が待っているという危惧の念で顔をゆがめる追従国の雇い兵、悪臭漂う死体と負傷兵を見るに見かねてハンカチで口を塞ぐ看護婦、負傷兵が余りにも多いので治療が難しいだろうという思いで、額の汗を拭いている医師。

前線に発つといって、トランプで占い、酒を飲んでいる兵士、家族の写真を見てうっとうしい気分の兵士、こうした姿は米軍の思想と精神のもろさ、道徳的低劣さを見せています。黒雲は米軍兵士の敗戦を予告しているようです。

これら全ては創建されたばかりの朝鮮民主主義人民共和国の軍隊と人民が思想と精神の上で優れており、これによってアメリカに勝っていることを見せています。作品はその内容にふさわしく、数十人の人物と表現のほかの要素に朝鮮画の優れた技法を見事に活用しています。朝鮮画「破れた強大さの神話」はピョンヤン美術総合大学朝鮮画学部の教師たちの共同作です。

創作チームのチーフである朝鮮画学部の講座長、功労芸術家の称号を受けたパク・クァンリムさんのお話です。

「前々から祖国解放戦争の時をテーマにした作品を描いてみたかったです。今回、共和国の相次ぐ自衛の核武力建設の目覚しい成果に慌てふためいたアメリカが制裁を加えるなど無謀に振舞うのを見て、アメリカがいくら躍起になっても1950年代の朝鮮戦争で惨敗を喫したように勝利者は共和国で、敗者はアメリカだ、あの時、すでにアメリカの強大さの神話は破れた、という思いがモチーフになったわけですね。講座の先生皆が賛成し、知恵と力を出し合って、20日間にこのような大作を世に送り出したのです」

朝鮮画「破れた強大さの神話」はピョンヤン美術総合大学創立70周年記念美術展で高く評価されました。

• 2020.03.17 ピョンヤン美術大学でユニークな商業デザインを出しました
• 2023.09.27 ユニークな産業デザインを出しています
• 2023.12.30 新年の年賀状が出ました
• 2024.01.31 遠隔教育システムの充実に励んでいます