発達した古朝鮮の金属工芸

発達した古朝鮮の金属工芸

古朝鮮は、紀元前30世紀初頭に建てられ、紀元前108年まで存続した朝鮮初の国家です。建国初期にもはや農業、牧畜業と共に、手工業も相当なレベルにありました。

古朝鮮時代の古墳から出土した遺物を見ても当時の手工業の発達振りがよくわかります。稲妻文様入りの鏡や、竜文様装飾の金のバックル、青銅の網のアクセサリーなど金属装飾品はその代表作といえるものです。

朝鮮中央歴史博物館のリュ・ギョンエさんのお話です。

「竜文様装飾の金のバックルは純金のもので、長さ9.4センチです。竜の浮き彫りを中心に翡翠が散りばめられ、華麗なイメージを演出しています。これは当時の人たちの文化水準を研究するのにとても価値ある遺物のひとつとなっています」

青銅の網のアクセサリーは0.2乃至0.4ミリほどのとても細い青銅の糸を網のように織ったもので、当時としてはとても高いレベルの金属工芸品です。金属工芸術の発達は鉄製品の手工業と青銅器文化の発達に基づいています。

古朝鮮成立以前の時期に始まった青銅器文化は国家の成立と共に更に発達しました。この時期に銅に錫や鉛を混ぜて錆に強い合金を作りました。

古くから鉄器を使用した古朝鮮の人たちは紀元前12世紀にすでに鋼鉄を生産していました。そしてその以降の紀元前7世紀頃には世界で始めて高温冶金法を使って炭素工具鋼を生産しました。

これは古朝鮮の精錬技術が相当なレベルのもので、古代東方で鋼鉄をもっとも早い時期に生産した国のひとつであるということを見せています。こうした鉄製手工業は金属工芸の発達をさらに促しました。

このように古朝鮮の金属工芸は当時としてはとても高い水準のものでした。