島国の蛮人

島国の蛮人

シン・ヨンイル：血塗られた日本の朝鮮侵略の歴史には世界の人々を驚愕させる前代未聞の野蛮行為が数限り無く記されています。今から127年前の1895年に明成皇后*1を殺害した悪辣な犯罪行為は、日本の侵略者は正に人殺しを生業（せいぎょう）とする蛮人だった事を世界に知らせる一つのきっかけとなりました。

19世紀末に至って朝鮮を巡っての資本主義列強の勢力圏争奪は熾烈を極めました。朝鮮封建王朝は日本を牽制し支配地盤を維持しようとの思いで帝政ロシアと結託しました。朝鮮に対する独占的な支配権を狙っていた日本の侵略者は、自分達の計画が水泡に帰してはという危惧の念から朝鮮封建王朝の実際の権力者だった明成皇后を取り除こうとしました。こうして明成皇后の殺害陰謀が巡らされそれが実践に移されました。

1895年8月20日、陽暦で10月8日ですが、当時の朝鮮駐在日本公使だった三浦*2を頭とする殺人団は朝鮮皇宮を襲って明成皇后を捜し出し日本刀で滅多斬りにしました。そしてまだ息が切れていない皇后を焼き払い遺骨を池に投げ捨てました。これが歴史に乙未事変*3として記された明成皇后殺害事件です。1895年が朝鮮の年号で乙未という事でそう呼ばれています。

社会科学院歴史研究所の研究者であるチェ・ミョンウォン*4さんのお話しです。

「この事件を最初から終わりまで身を隠して目撃した外国人が居ました。侍衛隊、これは皇宮を護る朝鮮軍ですが、その侍衛隊の軍事顧問だったアメリカ人のウィリアム*5とロシア人の電気技師だったサバチン*6でした。2人は等しく『日本人が朝鮮皇宮に踊り込んで明成皇后を捜す為暴れ回った挙句出会った宮女、つまり宮中に使える女性を手当たり次第に斬り倒した。日本人は皇后と認められる女性を殺害しては布団に包んで森の中に運び出しそこで石油を撒いて火を点けた』と証言しました。また当時この事件を調査したロシア検事は、『明成皇后の遺骸の中から土の中にやや埋もれた前頭骨と片方の手首が発見されたが、それは皇后が刀に討たれて負傷したが息が切れていないのをそのまま焼いてしまった事、焼かれながらも必死に足掻いた事を確証している』と証言しました」

明成皇后殺害事件は当時世界的な問題となり日本は非難の矢面に立たされました。こうなるや日本政府は所謂調査団を派遣し三浦等事件の関係者を本国に秘かに戻して名ばかりの裁判を開き、それも証拠不明という口実で全員無罪釈放しました。更に三浦が無罪釈放されて東京に着いた時、日本王は側近を使わして三浦の功労を誉めそやし慰労までしました。これら全ては明成皇后殺害事件はあくまで日本政府によって計画され強行された事を立証しています。

自分の侵略の目的を実現する為一国の皇后まで残忍極まりない方法で殺害した日本の侵略者の行為は、古今東西に例を見ない極悪な反人倫の犯罪行為で主権国の自主権と尊厳を無残に踏み躙る国家主権の侵害行為でした。

明成皇后殺害事件は日本の侵略者は正に朝鮮人民の千年の宿敵で国際法と人倫道徳も眼中に無い暴虐非道な蛮人、人権犯罪者である事をとことん暴いています。

（世界と朝鮮―史実）