秋の民族色の濃い食べ物

秋の民族色の濃い食べ物

朝鮮人民は古くからさまざまな旬の食べ物を作って食べました。秋の代表的な食べ物と言いますと、ソンピョンという餅があげられます。新米や新穀の栗や大豆などで作ったソンピョンは初秋の風情のある食べ物です。

また、もち米の粉を蒸して蜂蜜を混ぜた栗の漉し餡をまぶした栗団子も定評のある秋の食べ物です。

ピョンヤン地方ではノチという食べ物が秋の名物とされていました。ノチはもち米やもち黍（きび）をお湯で練ったものを発芽させた麦で発酵させ、油で焼いたもので、香ばしく、甘ったるい味がする保存食品です。

秋は野菊の咲き乱れる季節でもあります。満開になった菊の花と茎をきれいに洗って黍と一緒に酒を作って飲んだりしました。この酒はその年に飲むのでなく、一年間、寝かして翌年の秋に飲むと寿命が延びるといわれました。

このほかにも薄切りにした豆腐を串に刺して油で揚げ、鶏のスープに入れて煮た食べ物のヨンポ、干した蓬を臼などでついてもち米に混ぜて団子を作り、蜂蜜を付けて小豆の漉し餡をまぶした蓬の団子も秋によく食べる食べ物です。

旬の食材を利用して作ったこうした食べ物は新鮮で特色のあるもので、今も朝鮮人民の食生活を潤しています。