涙を流す文化財（5）

涙を流す文化財（5）

朝鮮民族の歴史と文化、叡智宿る貴重な文化財が侵略者・略奪者によって異国で故郷を懐かしみ、涙を流しています。その涙に秘められた恨みの話を聞いて下さい。

古くから朝鮮の先祖達は民族の情緒と美観に合う工芸品を作って、生活に広く利用して来ました。中には巧みな細工の技法で外国にまで知られた物が沢山あります。20世紀、40年余りの日帝の植民地支配期間、朝鮮の貴重な工芸品が多く略奪されました。

ピョンヤン美術大学教員カン・チョルオさん。

「螺鈿細工の経箱だけを見ましても、もともとコリョ、高麗時代に大蔵経を入れる箱として製作されたものでしたが装飾が華やかなことで、王宮に使える女性の貴重品や封建官吏の文書入れとして愛用されて来ました。しかし、日本侵略者が朝鮮から螺鈿工芸品を略奪してアメリカや欧州にまで売り払ったため、現在朝鮮で当時の螺鈿細工の工芸品を殆ど見られない状態です」

 

コリョ：918年から1392年まで存続した朝鮮初の統一国家
コリョ時台の螺鈿細工の工芸品、アメリカのボストン美術館に所蔵されている螺鈿細工の箱、日本東京国立博物館に所蔵されている螺鈿細工の盆

日本侵略者は貴金属の工芸品と装飾品等も手当たり次第に略奪しました。果ては民間人の間で使われていた伝統の工芸品まで奪い取りました。

真鍮の器と蝋燭立て、金細工の耳飾り、金を付着させた銅箱、銅と銀を象嵌した香炉

箪笥、彫刻を施した四角い机、木靴、木の印鑑箱

竹製の6面箱、真鍮の小さな鐘、竹の彫刻を施した筆箱、箒、石の釜、扇子

彫刻の食膳、銀を象嵌したタバコ入れ、竹の枕、竹の火鉢、木製の被り物の保管箱、彫刻を施した木製の糸巻き

石の法事用具、真鍮の法事用具、紙の器

木の器、竹の器

日本侵略者は朝鮮から多くの工芸品を略奪して、それがまるで「朝鮮の芸術の進歩と先進の為の民芸運動だった」と歴史を歪曲しました。

ピョンヤン美術大学教員カン・チョルオさん。

「日本人の主張通り、朝鮮の工芸品を略奪して日本に運び出したのが、いわば『朝鮮の芸術の進歩と先進のための民芸運動』だったとすれば、今まで日本に散在している多くの朝鮮の工芸品は当然ながら久しい前に原産地である朝鮮に返還されてしかるべきでしょう。日本がいくら小細工を弄しても汚らわしい過去の犯罪を覆い隠すことはできず、その責任と賠償の義務を絶対に回避できないでしょう」

（時事評論）

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