涙を流す文化財（4）

朝鮮民族の歴史と文化、叡智宿る貴重な文化財が侵略者・略奪者によって異国で故郷を懐かしみ、涙を流しています。その涙に秘められた恨みの話を聞いて下さい。

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古くから朝鮮では民族絵画が高い水準に達し、それは日本の絵画の発展にも大きな影響を及ぼしました。しかし恩知らずにも日本侵略者は朝鮮の絵画作品に目を付け、歴代を通して多くの絵画作品を略奪しました。

（字幕）略奪された朝鮮絵画の一部が掲載された小冊子「朝鮮の絵画」
朝鮮封建王朝：1392年から1910年まで存続した封建国家

代表的な物を見ますと朝鮮封建王朝時代の絵画作品を上げられます。

朝鮮美術博物館の解説係キム・グムヒさん。

「朝鮮封建王朝初期、アン・ギョン、カン・ヒアン、リ・サンジャのような名だたる画伯は朝鮮のどこでも見られる美しい自然風景を濃い民族色で表し、朝鮮画固有の画報を創造して世界の絵画史にはっきりとした足跡を残しました。当代の朝鮮の名画が日本侵略者に多く略奪されましたが、その名画が今も東京国立博物館、天理博物館など日本の博物館と美術館に展示されています」

（字幕）15世紀の絵画作品の一部
夢遊桃源図
山水図
竹

日本侵略者は朝鮮封建王朝初期の絵画作品だけでなく、朝鮮封建王朝中期と末期の作品も多く略奪しました。中には朝鮮の名だたる画伯であるキム・ホンド、リ・リンサン、シン・ユンボク等の作品もありました。

（字幕）
キム・ホンドの絵
リ・リンサンの絵
シン・ユンボクの絵

朝鮮美術博物館の解説係キム・グムヒさん。

「川や花、鳥など自然だけを描写の対象にしていた従来の傾向から脱皮して勤勉に働く人たちを中心に、生産労働と風習、伝統の遊びなどをユーモラスに、リアルに反映したキム・ホンドの傑作を始め、朝鮮封建王朝の中期と末期に創作された作品は朝鮮のリアリズム美術の発展振りと当代の社会現実を優れた筆致で描いたもので認識と教育の面で意義が大きく文献史料の価値を持ちます」

（字幕）朝鮮封建王朝時代の風俗画

これらの作品は朝鮮封建王朝前半期の民間絵画としてその内容が極めて膨大で、質素でリアルな筆致で当代の社会現実と人民の生活風俗を幅広く奥深く見せる、貴重な文化遺産です。これらの風俗画（も）やはり日本侵略者の略奪の対象になりました。20世紀、朝鮮を占領した日帝は植民地支配期間、朝鮮から略奪した絵画作品で展示会を開き、自国の物であるかのように海外に売り払いました。今もフランスのルーブル博物館、イギリスの大英博物館等世界の名だたる博物館では、日本によって流出した朝鮮の絵画作品を多く見られます。

朝鮮美術博物館館長リ・グァンヨンさん。

「朝鮮の絵画作品に対する日本侵略者の略奪は壬辰倭乱の時から計算しても数百年に渡って行なわれました。こうして略奪された絵画作品のうち、少なからぬ量が日本の国宝に指定されたり、個人の家宝となったりしましたがこれは朝鮮人民の優れた民族性と文化の伝統、絵画の秀でた才能が後世に伝えられ継承されるのに大きな悪影響を及ぼしたのです。にもかかわらず、日本の反動勢力は朝鮮で美術作品が消失した原因が、ほかならぬ朝鮮の人たちがそれらのものの保管に十分注意を払わなかったところにあると妄言を吐き事実を曲げ、責任から逃れようとしています。朝鮮民族の貴重な富を手当たり次第に略奪しこれ見よがしに自分のものに見せかけながら謝罪と返還はおろか、罪の隠蔽に走っているこのような厚顔無恥な行為は強盗の本性を体質化した日本の反動勢力ならではのことです」

（時事評論）