朝鮮の声郵便箱200126

「朝鮮の声」郵便箱 2020.01.26

呉英淑（オ・ヨンスク）：「朝鮮の声」放送へようこそ。

シン・ヨンイル：「朝鮮の声」放送へようこそ。

呉英淑：この頃の平壌は冬本番とでもいいましょうか、気温が下がって寒くなっていますが、皆さんの地方では如何ですか？

シン・ヨンイル：そうですね。でも先日の大寒の日は暖かくて、地球温暖化のせいでしょうか昔とは大分違いますね。

呉英淑：さて、お手紙のご紹介です。東京都のすずきゆうたさん、すずきゆうたさんは昨年12月10日付の手紙に、こう書いておられます。

「こんにちは、この度新宿から引っ越しました。住まいが変わり新たな環境で心機一転し仕事に励んでいます。日本では引越しの挨拶で近所に住む方に『細かく長いお付合いをしましょう』と願いを込め蕎麦を贈っていますが、朝鮮では引越しの挨拶や贈り物はどのようにしているのでしょうか？」

シン・ヨンイル：住まいが変わり心機一転にも苦労なさったようですが、引越しした事や、またお知りになりたい事等を問い合わせになったすずきゆうたさんの進取の気性に富んだ生活の態度には、深い感動を覚えていますね。日本では引越しの挨拶で近所に住む方に、細かく長いお付合いをしましょうと願いを込め蕎麦を贈っているとの事ですが、朝鮮にもそのような礼儀作法があります。

呉英淑：昔から祝祭日や慶事（めでたごと）がある時は、隣近所と喜びを分かち合うのが一つの慣わしとなっています。引越しした時もこれからお互いに仲良くしようという意味で新居入りをしますが、訪ねて来る人達に餅や麺類、地元の特産料理等もてなしたりします。そしてご主人にはマッチや麺類・巻き糸等を贈るのが、また一つの慣わしとなっています。

シン・ヨンイル：東京都のくさなぎよしひろさん、くさなぎよしひろさんは昨年12月13日付の受信報告が添えられたお手紙に、「12月に入り東京はコートが必要な寒さになりました。平壌はもっと寒いのではないでしょうか」とお書きになりました。

呉英淑：はい、12月は例年に比べ然程寒くありませんでしたが、今年の1月に入り気温が下がり冬の寒さを感じています。やはり冬は冬ですね。朝夕の気温が氷点下10度となりますからね。誰もが一番寒い1月を無事過ごせるよう一生懸命体を鍛えています。

シン・ヨンイル：くさなぎさんはお手紙に、こう続けています。

「昔学校で朝鮮半島ではオンドルという集中制御の暖房があると伺いました。厳寒の中でもオンドルは床暖房のような機能を果たし、暖かく過ごせると記憶しています。日本では伝統的な仕組みの良さを現代に活用する事を温故知新と言いますが、オンドルのような仕組みが該当すると思います」

呉英淑：では、朝鮮のオンドルについてお話しましょう。

朝鮮のオンドル

呉英淑：昔から朝鮮民族は床を暖めて暖房を保障する施設であるオンドルを使いました。古朝鮮時代に生まれたオンドルは三国時代に至って国中に広められ、民族固有の暖房の手段として発展しました。そして以前は局部に限っていたオンドルがコリョ時代になっては全面オンドル、つまり全ての部分を暖めるオンドルに発展して、履物を脱いでオンドル部屋で生活するのが朝鮮人民固有の生活風習となりました。

シン・ヨンイル：オンドルは在来式と近代の方式に大別されますが、在来式は焚口で木等を燃やして出来た火と煙が床の下の溝に沿って回りながら、板石を温める方式で熱を保障します。

呉英淑：近代の方式は床の下に鉄のパイプやビニール製のパイプを一定の間隔に設置し、そこに温水を通して床を温める方式で熱を保障します。熱源は大規模な火力発電所によって都市全体に保障したり、また時には個別的なボイラーによって都市の区画別、村別、更には産業・企業や建物別に保障したりする事も出来ます。

シン・ヨンイル：偉大な金日成主席は「朝鮮人民は古くからオンドル部屋に住み、オンドル部屋に寝て初めて疲れが癒される」とし、1950年代の戦争が終わった後建設される多層住宅にオンドルを設置する事を教えました。その後人口の多い都市と地域にセントラルヒーティングを設け、それに合わせてオンドルも近代的な物に発展させるよう取り計らいました。という事でオンドルは今も朝鮮人民固有の住宅の暖房の手段の一つとなっています。

呉英淑：只今まで、すずきゆうたさんとくさなぎよしひろさんのお手紙をご紹介し、お二人がお知りになりたいと仰った事についてお答えしました。リスナーの皆さん、これからもお知りになりたい事がありましたら、どしどし質問なさって下さい。スタッフはいつでも喜んでお答えするでしょうから、どうぞ宜しく。

シン・ヨンイル：ではリスナーの皆さん、次のこの時間にまたお会いしましょう。

（「朝鮮の声」郵便箱）