日本は右傾化の悪夢から覚めるべきだ

日本は右傾化の悪夢から覚めるべきだ

日増しに甚だしくなっている日本の右傾化が国際社会の深い懸念を呼んでいます。周知のように靖国神社を軍国主義のシンボルと見做しているアジア諸国人民は、日本で一層甚だしくなる政界人物の集団的な神社参拝を警戒心をもって注視し、参拝を止める事を強く求めています。

しかし日本の権力層はこれを嘲弄するかのように、靖国神社に対する集団参拝を公式化・定例化しており公然と正当化しています。問題は、手綱の解けた軍国主義の馬車が疾走している日本で、当局者が鞭の主人公となっている事です。

この4月、当局者は靖国神社に供養する事で、軍国主義の熱気を煽りました。これに応えるかのように国会議員達が我先にと靖国神社を参拝しました。その数はこれまでに比べて5倍近くもある168人に達します。その規模に於いて嘗て無く、また政府的性格の濃い政界人物のこの度の集団的な神社参拝を通して、国際社会は日本の右傾化がどの程度に達したかを充分予想しました。

日本が敗戦して70年近くになる今、政界人物が靖国神社に集団的に行ってA級戦犯の亡霊を慰め大和魂を呼ぶのは、軍国化を実現して敗北の復讐をしようとの軍国主義毒蛇の足掻きを思わせます。イギリスの新聞フィナンシャル・タイムズは社説を出し、現当局者が靖国神社に供養し歴史を否定する発言をした事について「一定の支持率を基に本性をさらけ出した。皇崇拝の国粋主義的社交（？）集団と固く結託した靖国神社は、誤った場所だ」と指摘しています。

最近、野党と多くの地方自治体が参加を拒み、1万人余りの沖縄県民が抗議デモを行う等物議を醸している主権回復記念式典なるもので、ある極右分子の音頭で参加者が一斉に『天皇万歳』を三唱する悲喜劇が演じられました。それもこれまで右翼団体の民間レベルの行事として開かれたものが、今年初めて政府レベルの行事で格上げした場所で軍国主義のスローガンが響いたのに、問題の深刻さがあります。

アメリカの新聞ワシントン・ポストとウォール・ストリート・ジャーナルも「現当局者が誤った歴史認識と妄言で日本を危険に陥れ、北東アジア地域の情勢を不安定にしている。名実共に日本はアジア諸国に対する侵略行ためを犯した。現当局者の誤った主張は南京大虐殺等で生き残った人々を驚愕させている。日本は国際社会で友を失っている」と書いています。

今、日本で社会の右傾化が深まる原因は他にあるのではありません。歴史否定意識が骨髄に徹した政界人物が、不純な政治的目的を達成しようと狡猾な手口で人々の思考を惑わしている事にあります。これは日本の今の内外政策の基本目的が、政治の極端な右傾化・軍国化・海外膨張の実現による事をハッキリと見せています。

右傾化を社会に一般化して軍国化を煽り、軍国主義を復活させて海外膨張に出ようというのが、日本の反動勢力の下心です。国際社会が日本で日増しに甚だしくなっている軍国主義復活策動に警戒心を高めているのは、それが招く破局的結果について予見したからです。

日本の反動勢力は社会の右傾化が日本を滅ぼす道である事をハッキリと知って、海外膨張野望の実現の悪夢から覚めなければなりません。それは日本のために必要です。