文房四友

文房四友

昔から紙、墨、筆、硯は、書道で必須の物でした。そこで祖先はこれらの書関係を『友の関係』だと表現しました。

紙

紙は文房四友のうち一番に数えられます。古くから朝鮮の製紙技術は相当な水準にありました。

（字幕）
朝鮮の紙はどの時代にも柔らかくしっかりした特性があり、
特に欧州の書庫から発見されるコリョ時代の本は、
黄みがかったものが全くなく、虫も食わない。
1894年　フランスのパリで出版された「朝鮮書誌学」から

古い伝統を持っているこれら製紙技術は、918年から1392年まで存続したコリョ時代に一層発展しました。

ハンドクス・ピョンヤン軽工業大学の教員キム・チュンナムさん。

「朝鮮で発見された遺物の紙の大多数は、ピョンヤンとその周辺地域から出ました。そして、朝鮮人民の生活に紙が広く使われたことを見せる壁画古墳もこの一帯で発掘されました。図書の執筆のため史実を研究する過程に、このような事に注意を払いました。それで、古代文明の発祥地で古代文化の中心地であるピョンヤンが朝鮮の紙の発祥地だということを論証するに至りました」

コリョ時代の紙の生産に利用された主原料は楮（こうぞ）の皮です。

マンスデ創作社の主任リ・ギョンチョルさん。

「私たちは、伝統的な紙の生産法に基づいて良質のコリョ紙を生産しています」

繊維が揃っていて白く強い楮の皮で作った紙は、当時優れた物として認められました。それで当時の紙は周辺諸国はもちろん遠く欧州諸国にまで輸出されました。

墨

墨も早くから祖先が書道と絵描きに用いた文房具の一つです。祖先は既に久しい前から良質の墨を作って利用しました。コリョ時代には或る地方だけでも、ひと月の間に数千本ずつ生産したとの事です。その以後にも墨を生産する経験と技術は引き続き発展しました。特にヘジュ地方で生産される墨は製造法がユニークで、その質が良く隣国にまで広く知られました。

（字幕と音声）
下手の道具調べ
これは字の下手なものに限って、色々と道具を択んだり、うるさく言ったりするものの意味です

筆

文房四友の一つである筆も延々*1を訪ねると、とても長い歴史を持っています。祖先は既に久しい前から書体と絵に相応しい多くの筆を作り、使って来ました。筆の製作には弾性が強く柔らかでツヤがある獣の毛が使用されて来ました。筆柄（ふでづか）の材料には主に竹が使われました。

マンスデ総作社美術機材制作団の主任リ・ボンスクさん。

「私たちは歴史関連書を深く研究する過程に、伝統的な方法について把握しました。それで国内の原料、伝統技術によって科学的な方法を確立し、専門家用の筆を作っています」

硯

硯は石の材質によってその質が決められます。朝鮮には硯を作る石があちこちにあります。そのうち慈江道*2の渭原郡*3と、黄海南道*4のチャンサンという岬等からの石材が一番有名です。それ等の材料で作った硯は石が緻密で叩くと音が出るし、摩り下ろしたものは柔らかくカスが無く奇麗な事で外国にまで知られました。

朝鮮美術博物館の課長博士カン・スンヘさん。

「民族の優れた分課と伝統を極力生かすための共和国政府の一貫した努力により、朝鮮では遺物が在りし日の姿そのままに保存されています」

 

朝鮮画具工場の支配人チョン・スナムさん。

「朝鮮に豊かな天然の材料で作った各種朝鮮画用の絵の具、筆、墨などは、その質が良くて使用者の間で好評を博しています。これからも民族の伝統を極力生かすのに力を入れるつもりです」

古い歴史の伝統で連綿と引き継がれて来た文房四友。

今も文房四友は人民の文化生活に無くてはならない親しい友となっています。

（観光）

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