国際コンクール入賞者を育てて

国際コンクール入賞者を育てて

今年3月、ロシアで行われたクライネフ・モスクワ国際ピアノコンクールの入賞者であるキム・ジウォンさんはピョンヤン第1音楽学院の生徒です。今年16歳です。

キムさんのインストラクターはホ・エソンさんです。

「大学を卒業して教師になり、舞台で演奏生活もしましたが、やはり、出演するより教えることに愛着を抱きました。教師は本当に愛着のある職業です。教え子がいとしく、生徒たちへの思いは深まるばかりです」

ピアノ教育でホさんが主眼を置いたのは生活に密着させることです。作中の感情のディテールを生徒が自分の生活に結びつけてピアノで表現するように教えました。ホさんの教え子はみな、演奏で自流の魅力を持っています。

ホさんがジウォンさんを担当したのは6年前からです。10歳の子供が巧みにピアノをひく姿を見て、天賦の才能を見つけました。あれからジウォンさんの担任教師になりました。

しかし、ジウォンさんは学校でも有名な腕白小僧でした。多くの人が、ピアノそっちのけで遊びばかりに夢中になるこの子の展望を案じました。その子を諦めるようにと勧める教師もいました。

しかし、ホさんはその才能が惜しんでなりませんでした。それで粘り強く努力し、子供の個性にあう教育法を見出しました。

「ジウォンさんに私が常に期待し、悟らせるのはすべてのことを大事に思い、音楽にその大事なすべてを盛り込むなら聞く人を感動させ、熱烈な賛辞を受けることができると言うことです」

師の真心はついに教え子を感動させました。ジウォンさんは次第に変わってきました。ピアノに夢中になり、演奏のテクニックもさらに多様になり、洗練されました。

クライネフ・モスクワ国際ピアノコンクールで演奏したピアノ独奏「テホンダン3千里」は大人気でした。

玉磨かざれば光なしと言います。

ホさんは教え子みなをひとつひとつの玉とみなしています。それらの玉がさらに美しい光を放つよう今も全身全霊を打ち込んで磨いているのです。

（今日の朝鮮）