危険性をはらんでいる軍事大国化の動き

危険性をはらんでいる軍事大国化の動き

日本が、自国民と周辺諸国の強い反対を余所に地上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』を秋田県に配備しようとしています。そればかりでなく軍事的に鋭い地域の付近にある島に地対空及び地対艦ミサイル部隊を電撃的に配備し、いつでも自衛隊武力と軍需物資が戦場に急派出来る輸送航空隊まで正式に発足させました。

これは地域諸国とは最期まで軍事的に対決しようとの魂胆を公然と曝け出した事で、只ならぬ動きだと言わざるを得ません。第二次大戦で破れた事を根に持っている日本が、国際社会の目を避けて武力増強を続けて来たというのは周知の事実です。しかし今のように日本の右翼反動勢力の軍事的動きが厚顔無恥に、急ピッチで多方面に亘って進められたのは嘗て無い事です。

防衛費が6年続きで最高水準を記録した中、今年も5兆3千133億円が策定され、同盟国から買い入れる各種の新鋭装備の費用も2011年の432億円から、2019年には7013億円という桁外れの数字を記録する等、戦争装備の購入と開発に莫大な資金が使い果たされています。

日本は宇宙作戦隊と電子戦専門部隊等新しい部隊の編成を急いで、空と陸地、海はもちろん宇宙とサイバー空間も侵略の舞台に作ろうとしています。またセキュリティーの劣悪？環境を云々し、日本の軍事的動きが朝鮮と中国、ロシアをターゲットにしている事を隠そうとしていません。これは昨年1月、現当局者が施政演説で「新しい防衛力を構築する為今までとは抜本から違うスピードで改革を進める」と言った事によるものです。

戦犯国の日本が過去の罪に背を向け軍事大国化の道を疾走するのが、地域の平和と安定にどんな悪結果をもたらすかは察しに難くありません。中国の東部水域で日本海上自衛隊の艦船が中国の平和な漁船と衝突し航海の安全を由々しく脅かしたのは、軍国主義膨張政策がもたらす災難のはっきりした予告です。朝鮮への再侵略からアジア、進んでは世界へと征服戦争を拡大しようとする処に、表面化する日本の軍事大国化の動きの危険性があります。

日増しに強まる日本の軍事大国化の動きは、自主権と平和を重んじる世界の人々の特別な警戒心を呼び起こしています。

（時事評論）