他人ではない

他人ではない

2021年2月　撮影

平壌市*1中区域*2の橋口という町*3の第48居住人民班*4に住むホ・ソングクさん一家の生活は或る傷痍軍人を巡って流れています。

ホ・ソングクさんは2012年から西城区域*5の上新という町*6に住んでいて、隣の傷痍軍人のキム・ジョンテクを息子のように顧みたといいます。その後一緒に暮らしてはと願い出る娘のホ・ギョンエさんと婿のキム・チャンドさんの手に引かれて引っ越ししましたが、ホさんの表情にはいつも翳りがありました。その理由が傷痍軍人の為である事を知った娘夫婦はその人を自分の家に連れて来ました。人情に溢れるホさん一家の生活について一部始終伝える事は出来ませんが、目撃者の話の中からその一部を伝えようと思います。

目撃者の女性人民 1（マスクをしていない状態）

「最初は同じ家族とばかり思っていました。後で知ったことですが、赤の他人でした。それを耳にした時、うちの居住人民班にも美談の主人公がいるなと感心したわけです」

 

目撃者の女性人民 2

「とても感動的でした。率直なことを言ってそれは容易なことではありません」

 

目撃者の女性人民 1（マスクをずらした状態）

「自分がこういう人だと他人に知ってもらおうとはしませんでした。私がやるべきことだったのに…」

目撃者の女性人民 3

「入居者総会でホさん一家のことがしょうかいされましてね。祝日にビールなどを持ってその家を訪ねましたが、かたくなに辞退しながら隣に迷惑をかけてはすまないというので…」

目撃者の女性人民 1（マスクをしていない状態）

「薬を持っていく人もいれば、お店からミネラルウォーターを買ってくる人もいましたし、とにかく入居者の皆が熱心でした。傷痍軍人が病気にかかってはたいへんだ、皆がその健康を見守るべきだと思っております」

目撃者の女性人民 4

「ホさん一家の美談を聞いてとても感動でした。参戦老兵や傷痍軍人のため、もっと精を出さなければと思いました」

目撃者の男性人民 1

「ホさん一家の美談に私一人だけでなく、入居者のみなが、区域の住民の皆が感動しました。これはこの社会にのみありうる美徳の香りだと思います」

ホさん一家は誰にも出来る事だとして取材に応じませんでした。しかしホさん一家の美談が伝えられてから一人の傷痍軍人の為多くの人の心が一つになった事自体が、社会主義のこの国が絶えず発散する美徳の香りではないでしょうか。

ホさん一家のお話

私たちに他人とはいません
傷痍軍人のキム・ジョンテクさんは
わが家だけでなく、国中が大切に思い、
顧みる息子も同じです
キムさんをあくまで顧みたいです

（今日の朝鮮）

※朝鮮語を残しながらの日本語ナレーションだった。テレビ番組として作られたもの？

---