世界的な体操の強豪

世界的な体操の強豪

「リ・セグァン飛び」と共に世界の体操界に広く知られた朝鮮の器械体操の選手リ・セグァン選手。リ選手はオリンピックの金メダリストで、3度の世界選手権の保持者です。

器械体操の選手としてのリ選手のスタートは7歳のときのマンギョンデ学生少年宮殿の体育クラブからでした。3年後から貫禄がある4月25日スポーツ団で才能を思う存分花咲かせました。

チュチェ95（2006）年、リ選手は平行棒の訓練の途中、指をひどく怪我しました。これから鉄棒と平行棒、輪、鞍馬といった機材の運動を高いレベルでやり遂げることはできない、全ての機材の選手にはなれないという医学的な結論が下りました。器械体操の強豪になろうと、努力の限りを尽くしてきたことが無駄になってしまうと思うと、途方にくれました。できることと言えば跳馬だけでしたが、それはリ選手が一番の骨の折れることでした。

しかし、リ選手は怯みませんでした。退くのか、それとも引き続き前へと進むのかの曲がり角で、リ選手は勝ち抜きました。体操界で永遠に消え去るところだったリ選手がその年の12月に行われた第15回アジア競技大会の器械体操の跳馬で金メダルを勝ち取ったのです。それは不屈の精神と強い意志、想像を絶する頑強な努力の結果でした。

翌年の第40回世界器械体操選手権大会でリ選手は惜しくも3位になりました。リ選手は世界の覇権を握るためには自流の独特な動作、難度のある動作がなければならないということを痛感しました。リ選手は監督と共に誰も創造できない難度の動作を練りました。他の動作に比べれられない大きな力が足首にかかるので心配する人もいました。

リ選手は訓練の合間に紙の上に動作を描いてみたり、動作の要領について考え、毎度、訓練の状況を記録したりしました。このようにして完成した新しい動作はチュチェ101（2012）年の第5回アジア体操選手権大会を通して、世界の体操界をあっと言わせました。けれど、リ選手はそれに満足しませんでした。跳馬では互い違いの2つの動作を合わせて点数をまとめますが、その2つの動作を全て新しい動作、朝鮮の動作で果たすこと、これがリ選手の目標でした。

チュチェ103（2014）年、世界は第45回世界器械体操選手権大会でリ選手の2つの動作を見ました。最初の走りから空中回転、着地までスピーディーな才知のある動作で綴られるこの最高級の体操動作は「リ・セグァン飛び1」、「リ・セグァン飛び2」と命名されました。

国の名誉をかけての「リ・セグァン飛び」は相次ぐ金メダルを生みました。第46回世界器械体操選手権大会と第31回オリンピック大会でもそれは功を奏しました。リ選手は朝鮮民主主義人民共和国労働英雄と人民スポーツマンの称号を受けました。

昨年の第48回国際体操連盟世界器械体操選手権大会の器械体操の男子機材別決勝の跳馬で金メダルを獲得することにより、リ・セグァン選手は3度も世界選手権を保持しました。リ選手は2018年の朝鮮民主主義人民共和国の10大の最優秀選手に選ばれました。

（今日の朝鮮）