上辺だけの「法の下での平等」

上辺だけの「法の下での平等」

日本が『法治』についてよく口にしています。『万人に平等で如何なる場合も客観性と公正を失ってはならず、特に不純な政治的目的を遂げる為の手段として弄ばれては絶対にならない』というのが、他ならぬ法です。

では果たして日本には『法治』について論じる資格があるでしょうか？

この3月、日本第一党の右翼分子達が、朝鮮総聯の九州朝鮮中高級学校と北九州朝鮮初級学校が位置する福岡県の折尾駅等で通学中の朝鮮人生徒に、「朝鮮人はさっさと帰れ、朝鮮人を追い出すべきだ」等と暴言を吐き乱暴に振舞いました。

問題は右翼分子たちの妄動が当局に庇護され煽り立てられている事です。これまで総聯に悪行の限りを尽くしたこの右翼分子達は、警察署から得た道路使用許可を振り回し警官達の目の前で公然と狼藉を働きました。

日本がしきりに唱える聞こえの良い『法治』が、総聯と在日朝鮮人に対しては極度の悪意と偏見、あからさまな敵対感情で表われているのです。民族排外主義は日本の凝り固まった悪習です。それが朝鮮民族に対しては尚更執拗で悪辣に表面化しています。

教育委員会のオ・ドクス*1局長のお話です。

「幼児教育・保育無償化を盛り込んだ子育て支援法の国会採決によって、日本ではこの10月1日から幼児教育・保育無償化制度が実施されています。日本政府は当局の認可が無い幼稚園・保育所まで支援の対象に入れながら、朝鮮学校幼稚班は日本語でなく朝鮮語を教えているという、唯一つの理由で取り除きました。既に朝鮮学校に対する教育補助金の支払いを中止し高校授業料無償化制度からも除外したのに次いで、幼稚班の子供達に対する保育支援まで完全に拒む日本当局の行為は民族排外主義政策の集中的な表れで、対朝鮮敵視政策の延長線上のものです。これは詰まる所児童の権利条約をはじめ国際法と、自分が全ての児童に公平に適用すると言って制定した子育て支援法も自ら否定する事になります」

日本の政界でも「幼児教育・保育無償化制度の適用から朝鮮学校を除外したのは法の下での平等を決めた日本憲法に反し、子供達の人権を甚だしく侵害する悪辣な差別行為だ」と主張する声が上がっています。正にこれが上辺だけの『法治』を念仏のように唱える日本の自画像です。

『一滴の水滴に宇宙が写る』と言います。神聖視すべき法典の上に大東亜共栄圏の儚い夢をしつこく載せて『法治』をしきりに唱える現政権下で、まともな法が採択され施行されるはずがありません。

日本が法の下での平等を云々するほど国際社会の嘲笑を買うだけです。

（時事評論）