アニメ「かしこいタヌキ」（5）

火を出したアイス

※オープニング

（歌）
楽しい遊びに興じると
みんながひとつ　仲がよい
試合になると譲り合わない
高い山や深い川
知恵で超える　渡り合う
1位を譲らないかしこいタヌキ

かしこいタヌキ
（5）

「ただ今から、烽火の塔に火を点じる競技を始めます　誰が先にマッチを使わずに火を点じるでしょうか」

火を出したアイス

「烽火の塔にマッチなしに火を点じるということか」
「マッチなしに火をつける？」

「よし、一位は問題ないぞ」
「オートバイだけうまく運転するなら」

「これはね」

―そうなら、一番先に火を点じるだろう
―そうそう

「今日の試合でこのライトをうまく利用するなら…」
「用意」
※スタート（銃から弾丸が発射されている）

「タヌキちゃんがあんなに離れて追っていて…」
「最後の瞬間に賢い得意技を振るうのでは？　クマちゃん、どのように火を点じようとするの？」
「それは、木…秘密だよ」
「秘密？」

※コース各所に設置されている朝鮮式遠隔操作カメラの映像を見ている方々。

「しっ、静かに」

「一位になろうとするのか　今に見ろ　ネコちゃん、どいてどいて」
「ぼくが阻んでいるのか」

※崖にかかる倒木の橋。ネコはジャンプして崖を越える。着地の反動で倒木の端が浮き上がり、クマのオートバイの前輪に刺さる。パンクする。

「静かにしろ」
「しまった」

「クマちゃん、どいて」
※タヌキも崖をジャンプして越え、ネコに追いつく。ネコのバックミラーの反射で目が眩んだタヌキは、木に激突して崖下に転落。厚く積もった雪で助かる描写。

「この凸レンズで火を出そうとしたのに、どうしよう？」
「車輪が抜けてる」
「どうすれば上がるんだ？」
「そうだ」

※木に絡み付いたツタを手に入れるタヌキ。ツタの一方の端を車輪の取れたオートバイに、もう一方に石を結び付ける。崖の上の木に石を投げてツタを巻き付ける。エンジンを掛けてツタをハブに巻き付けて昇って行く。朝鮮式のオートバイはリアサスペンションに駆動力を伝える機構がある。

「タヌキちゃん頭を使うね」（※感心するウサギ審判委員）

※タヌキ、崖の上の木に引っ掛かっているタイヤを取ろうとするが落としてしまう。崖の向こうではパンクを直そうとしているクマ。タイヤは転がってクマの手元に。

「これはどうしたたなぼただい？」
「おい、ぼくの車輪だよ　あれ見ろ」
「うん、分かった　きみの車輪を僕のオートバイにつけて、一緒に行こう」
「クマちゃんのオートバイのライトを利用しよう」

※崖をジャンプしてくるクマのオートバイ、飛び乗るタヌキ。

「太っ腹のくせに、結構すばやいね」

※先を行くネコ。S字カーブの標識？　スピードを出し過ぎてオートバイは崖下に転落。

「どうしよう？」

※そこへクマとタヌキの二人乗りオートバイがやって来る。タイミングを見計らって飛び乗るネコ。

「どうしてみんなおれのオートバイにすがりつくんだい？」
「ひとりで行きたいのか？」
「クマちゃん、おれの車輪を出せ」
「同じオートバイに乗っていても、1位は譲らないぞ」

※烽火の塔までやって来る3匹。突き出ていた岩？にぶつかる。

「1つしかないレンズまで壊して、どうしよう？」

※木を倒すクマ。
「木で火をつけようとするね、愚か者」

「玉石、玉石がどこにある？」※玉石（火打石みたいなもの？）を探すネコ。
「困ったな」
「やあ、玉石だ」
「タヌキちゃんを見ろ」
「どうしたらいいの」

「タヌキちゃんがいかにかしこいと言っても、アイスの上では駄目だね」
「びりだよ、びり」
※クマがタヌキを笑っているスキに抜け駆けしようとするネコ。
「えい、ずるい者」

※クマは木をこすり合わせ、ネコは玉石を打ち合わせて火を起こそうとする。

「腕が痛い」

「やあ、煙だ、煙」
「こんなの、見てないだろう？」
※ネコの玉石も光り出す（火が点いたという描写？）

「つむじ風だ！」（※3匹とも飛ばされてしまう）

「あ、あれだ　（※タヌキがツララを見て閃く）　レンズ代わりにアイスで…そうだ」

「やあ！」（※ツララを折って手頃な大きさに削り出すタヌキ）

「タヌキちゃん変だね」
「タヌキちゃんはアイスもさすると、火がつくと思うようだね」
「さすりつづけるがいい」
「つむじ風に巻き込まれていたので頭が狂ったようだ」

※クマとネコ、其々火を起こしている。見守るテレビの前の方々。タヌキも氷で作ったレンズで火を点けようとするが日が陰る。クマとネコも必死に火を起こそうとする。日が照って紙に種火が点く。

「火だ！」

「ついに、かしこいタヌキが一番先に烽火の塔に火を点じました」

「これ、アイスじゃないか」
「タヌキちゃん頭が切れるね　アイスでレンズを作ったね」
「アイスのレンズ？」
「冷たいアイスもレンズ代わりに使うなら、高い温度が得られると言ったね」
「そこまでは知らなかった」

（芸術）

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