つつじ

つつじ

ツツジ科の落葉性低木のつつじを朝鮮語ではチンダルレと言います。山地に自生し、多くの枝を分けて高さ2〜3メートルまで育ちます。楕円形の葉が互生します。

4月、葉よりも先に枝先に先端が五裂した花を1～5個つけます。花の直径は3〜5センチメートル、色は薄い紫色です。朝鮮人民は昔からつつじが好きで、つつじにまつわる伝説や詩も多く、伝統の遊びもあります。

昔、トゥギョンという人が矛盾した社会を恨みながら世を去りました。ところがその霊魂からトゥギョンセ、ホトトギスが出てきて夜通し悲しそうに鳴いた末、喉が裂けて血を吐きました。その血がつつじの花を赤く染めました。それ以来つつじをトゥギョンファとも呼んだと言います。

つつじを歌った詩は千年余り前のものが最初の記録となっています。朝鮮では昔からファジョンノリが欠かせない年中行事の一つとなっていました。ファジョンとは花のチヂム、ノリは遊びという朝鮮語です。ファジョンノリで食べるチヂムの具としてはつつじがもってこいだと言います。旧暦3月3日、山に登り、つつじの花を摘んでチヂムを焼いて食べながら美しい春景色を満喫したのです。

つつじは寒さに強く、木陰でもよく育ちます。繁殖は主に株分けでし、挿し木や種まきでもします。つつじは公園や庭園に広く栽植し、生け花にもします。特に松など針葉樹の下に植えれば、育ちもよく、景色も引き立てます。つつじの葉は高血圧に、花は神経痛に効き目があるので、民間ではつつじの花を蒸留酒などに漬けたものを薬に使っています。

抗日の女性英雄金正淑女史は、国の解放のための厳しい闘いの日々、雨風と冷たい霜にもめげず花を咲かせて春を告げるつつじをとても大事にしました。金正淑女史の故郷、ヘリョン*1にはつつじを抱えている姿の女史の銅像が建てられています。偉大な金正日総書記は母親への恋しさを込めて「つつじ」という不朽の名作を作りました。

晩春にも言われ宿し
明るい山河に咲くつつじ
忘れえぬ母の姿なのか
つつじ、つつじ、朝鮮のつつじ

厳しい寒さにもめげず一番先に花を咲かせて春を告げるつつじ、明日への希望を与えるつつじは朝鮮人民誰にも好かれています。