「カフカス2020」訓練を行ったロシアの意図

「カフカス2020」訓練を行ったロシアの意図

先日ロシアが南部地域と黒海・カスピ海で、戦略指揮参謀訓練『カフカス2020』を行いました。訓練でロシアは新開発のロケット砲『トルナドG』の弾頭分離型砲弾を初めて使用しました。

この兵器は弾頭が砲弾から分離した後パラシュートによってほぼ垂直に目標を打撃しますが、その過程に隠蔽壕に隠れる目標の掃滅率を更に高める事が出来るといいます。そればかりか高度計付きの信管を使用し高度の調整も可能だといいます。

『トルナドG』はロケット砲の内初めて誘導及び火力自動制御システムを装備し、行軍の過程に先頭車両（戦闘車両）の位置を不断に確定する事が出来、陣地に就いた後最も早い時間内に射撃開始が可能だといいます。

『カフカス2020』訓練では新開発の火炎放射システムも初めて使用されました。この火炎放射システムは機動中の走行機材（装甲機材）の掃滅に使われるといいます。

訓練では高射ロケット総合施設である『S-400』のテスト発射も行われましたが、これは敵軍のミサイル攻撃を撃退する為のものです。また訓練には戦車支援戦闘車両の『チェルミナトル（テルミナートル？）』も参加しましたが、この車両は10年前に製作されこの度初めて使用されました。

このように『カフカス2020』訓練は様々な新型装備の参加の下、大規模で行われました。アナリストは「これだけを見てもロシアが戦闘力の強化を瞬時も中止せず、粘り強く進めている事が分かる」と評しました。

ロシアのインターネットメディアの『イノスミ』は、「『カフカス2020』訓練を行ったロシアの意図は西側諸国の反ロシア行動の抑止にある」と伝えました。アナリストはこの主張の論拠として、プーチン大統領が訓練の基本段階を参観した事、訓練にロシアだけでなく中国とイラン、ベラルーシ等が参加した事を挙げています。

このようにロシアは武力装備の開発と配備を促し、国防力を引き続き強めています*1。

（時事評論）