従軍記者の話

従軍記者の話

1990年代の初め、朝鮮ではショッキングな出来事があり、話題になりました。1950年代の初め、アメリカの侵略を退ける祖国解放戦争の時、生死不明になったリ・インモ*1という従軍記者が数十年ぶりに一編の手記で自分の存在を世界に知らせたのです。

手記を読んで初めて人々は、リ・インモさんが数十年もの間、南朝鮮の監獄に繋がり、獄中でも革命的信念を棄てないで闘ってきたことが分かりました。手記には1930年、朝鮮北部のパバル*2という所で日帝の巡査部長を射殺した朝鮮革命軍の姿に強く胸を打たれたこと、それが自分の革命的世界観の形成に大きな影響を及ぼしたことについて書いた部分があります。

リ・インモさんが手記に書いた朝鮮革命軍の指揮官は他ならぬ偉大な金日成主席の叔父である不屈の革命家キム・ヒョングォン同志でした。

キム・ヒョングォン同志は1905年11月4日、ピョンヤンのマンギョンデの革命的な家庭で生まれ、早くから革命の道につきました。1930年、中国の卡倫（かりん）という所の会議で示した金日成主席の武装闘争の路線に従って朝鮮の北部国境一帯に進出したキム・ヒョングォン同志は朝鮮革命軍の一武装グループを率いて1930年8月、パバルという所に着きました。

当時、パバルは日帝の末端統治拠点の一つでした。駐在所巡査部長の松山は特別悪質として知られていました。キム・ヒョングォン同志はここの人たちの苦痛を目の当たりにして胸を痛め、巡査部長を射殺して人民の恨みを晴らすことにしました｡

農民服姿の一行が駐在所の前を通りかかる時、巡査部長が不審に思い、駐在所の中へ呼び入れました｡キム・ヒョングォン同志は機会を逃さず、復讐の銃弾を撃ち込みました｡そして、その銃声を聞いて集まって来た大勢の人の前で反日演説をしました｡

「・・・我々は日帝と闘う朝鮮革命軍です。朝鮮人民は力を合わせて不倶戴天の敵である日帝に反対して闘わなければなりません。兄弟、姉妹の同胞の皆さん、国なき民の身の上で苦しむ民族を救うため、国を愛する青年男女は銃を手にして立ち上がり、日帝を倒しましょう」

キム・ヒョングォン同志の不屈の気概について革命烈士陵のチョン・ソンランさんはこう話しました。

「パバルで銃声を鳴らしたキム・ヒョングォン同志はその後、裏切り者の密告で逮捕されましたが、最後まで革命的信念を棄てずに断固闘いました。抗日革命に貴い青春をささげたキム・ヒョングォン同志の革命生涯は革命家はどのように生き闘うべきかを教えています。故に朝鮮人民はこの革命烈士陵にキム・ヒョングォン同志の胸像を据え、その生涯に見習う決意を固めています」