チョル峰にまつわる話

鉄嶺にまつわる話

天を突かんばかりに高く聳えている峰峰、見下ろせば目まいがするほどの崖、九十九折の急勾配、これが朝鮮東部の峰、チョル峰*1です。

偉大な金正日総書記は先軍革命指導の日々、このように険しいチョル峰を昼も夜も越え、雨の日、雪の日も越えました。総書記は生前、よくチョル峰を思い起こし、チョル峰の険しい峠道と高く低い峰峰が目に見えるようだ、最前線の全域が一目に収まると言いました。

総書記がチョル峰を越え、また越えたのにはいきさつがありました。チュチェ90（2001）年7月、金正日総書記は8回目にチョル峰を越えました。その日は余りにも蒸し熱いので、随員たちは総書記にこれ以上、チョル峰を越えてはならないと言って引き止めました。

しばらくの間、深い思いに浸っていた総書記はこう言いました。

私もその峰が険しいというのを熟知している、峰を登る途中、ひょっとすれば峠道から外れて切り立つ断崖から転げ落ちるということも知っている、それなのに、チョル峰を越え、また越えるのはこのチョル峰を越えれば大事な私の戦士たちが最高司令官を待っていながら祖国の守りについているからだ、戦士たちが凍りついた土に伏せて敵陣を睨みながら夜を明かしている時、何を思っているのか知っている、戦士たちは最高司令官を思いながら身がかじかむのも、耐え難い暑さも我慢しながら最前線を鉄壁の如く守っている、そのような戦士たちを訪ねず、居座っているわけにはいかない、絶対そうはできない。

総書記の切々としたこの言葉は随員たちの胸にじんと来るものがありました。

朝鮮人民はチョル峰を越え、また越えながら国の防衛と人民の幸福のためにすべてを尽くした偉大な先軍の総帥である金正日総書記にチュチェ101（2012）年2月14日、朝鮮民主主義人民共和国大元帥の称号を授けました。

朝鮮の東部山岳地帯に九十九折の険しい峰、チョル峰*1がそびえています。上り16キロ、下り16キロ、険しいこの山道には兵士たちを訪ねて超えては、また超えた偉大な金正日総書記の無数の足跡が残っています。

総書記がチョル峰を越えるたびに幹部たちはもう険しいチョル峰を越えるのはよしてください、と申し上げました。すると総書記は金日成主席が大事にした兵士たちが思われてならないと言い、チョル峰へと前線視察の道を続けました。

ある日、総書記は又もや引き止める幹部たちにその峰が険しいのは知っている、ひょっとすれば崖っぷちから転げ落ちるとも限らないということも知っている、知っていながらもチョル峰を越えるのは、その向こうで愛するわが兵士たちが最高司令官を待ちわびながら国の守りについているからだ、それでしばしばたずねているわけだ、じっとしていられるだろうかと熱く言いました。

こうして超えたチョル峰に総書記の兵士への熱い思いが込められた伝説のような話も多く伝えられています。

ある年の初春、チョル峰を越える途中、総書記は冷たい風に当たりながら長時間待って、歩哨に立っていた一人の兵士に会いました。故郷はどこで、両親は何の仕事をしているのか、入隊したのはいつなのかを一つ一つ聞いた総書記は、兵士と並んで記念写真を撮りました。そして別れる時は持ち場をしっかり守るようにと励まし、長いこと手を振ってやりました。

その後も総書記は、雨の日、みぞれの日を問わず、また、夜中にも明け方にもチョル峰を越えました。

いつでしたか、総書記は雨の日にチョル峰を越えました。泥だらけの車を見て兵士たちが目を潤ませ、もうこんな険しい峰は越えないでくださいと申し上げました。その時、総書記は、もう私にチョル峰の卒業証書をくれるそうだね、でもそうは行かない、最後の勝利の日までチョル峰の卒業証書をもらうわけにはいかない、と言いました。

後日、金正日総書記は先軍革命指導の日々のことを感慨深く振り返り、私はチョル峰を何度も何度も越えた、チョル峰を越えて最前線の部隊を視察し、先軍革命指導をしてきた、チョル峰は先軍革命指導のシンボルだ、と言いました。正に、金正日総書記の先軍の革命指導があって国の平和が守られ、富強繁栄の万年の土台が築かれました。

偉大な金正日総書記の祖国愛の献身の足跡と業績がそのまま刻まれているチョル峰は今も先軍の総帥の不滅の業績を伝えながら巍然とそびえています。