現代包囲戦のモデル

現代包囲戦のモデル

1950年代のアメリカの侵略を退ける朝鮮人民の祖国解放戦争は、朝鮮の尊厳と栄誉を守り、世界「最強」を豪語したアメリカ帝国主義の下り坂の端緒を開きました。祖国解放戦争で朝鮮人民が収めたあらゆる勝利と奇跡は、主体的な軍事思想と巧みな戦法、知略で軍隊と人民を導いた偉大な金日成主席の正しい指導の結実です。数多くの奇跡のような戦果の中には、世界の戦争史に類例を見ない現代包囲戦のモデルといえるテジョン解放戦闘*1もあります。

チュチェ39（1950）年6月25日、アメリカ帝国主義者は共和国に対する武力侵攻を開始しました。卓越した軍事戦略家である偉大な金日成主席は、強い意志と決断力、優れた用兵術で、無謀に襲い掛かる侵略者を一撃の下に撃滅する反撃の戦略を立てました。主席の作戦的構想にしたがって朝鮮人民軍は反撃に移って三日目にソウルを解放しました。慌てふためいたアメリカは、何としてもテジョンだけは固守しようと「上昇師団」と豪語する米軍第24歩兵師団をはじめ、多くの兵力をテジョンに投入しました。

チュチェ39（1950）年7月、主席は前線司令部を訪れ、テジョン解放作戦を成功裏に締めくくるための課題と方法を明らかにしました。主席はロンサン一帯に進出した人民軍部隊に、急速に迂回してテジョンからクムサンまで、テジョンからヨンドンまでの道路を断つとともにテジョンの敵軍を西方から打撃し、歩兵部隊と戦車部隊は北の方と北西の方から打撃するようにしました。

そして、テジョン解放作戦を成功裏に締めくくるためには敵軍をすばやく包囲するとともに短時間内に掃滅しなければならないとし、敵軍完全掃滅の作戦案を出しました。最高司令官の命令どおり、人民軍の近衛第18歩兵連隊の軍人たちは重い装具を背負って険しい山道を一夜のうちに、40キロ以上も強行軍してテジョン市の敵軍を完全に包囲しました。

7月20日の午前5時、百戦百勝の鋼鉄の総帥で卓越した軍事戦略家の金日成主席の指揮の下、人民軍連合部隊はテジョン解放のための総攻撃を開始しました。市の北の方から人民軍の歩兵連合部隊と戦車部隊が攻撃に移り、砲兵部隊は敵陣を粉々に打ち砕きました。人民軍の歩兵たちは市街めがけて突進しました。この戦闘で人民軍兵士たちは比類のない勇敢さと集団的英雄主義を遺憾なく発揮しました。英雄的な人民軍の猛攻撃によって、テジョンに追い詰められた米軍第24歩兵師団と傀儡軍の敗残兵はアメリカ侵略軍の増援部隊がテジョンに届く前に完全に掃滅されました。

7月20日の12時、軍事戦略上、敵軍の重要な拠点であるテジョンは解放されました。米軍第24歩兵師団長ディーンは命を救うため、粗末な兵士服を着てテジョンからクムサンと言うところへ逃げていく途中、年若い人民軍の兵士に捕えられました。2万4千人の敵軍を殺傷、または捕虜にし、狙撃兵器2万80挺を鹵獲、各種砲150門以上、40台あまりの戦車、1010台あまりの装甲車、30機あまりの飛行機を破壊または撃墜するなどテジョン解放戦闘で人民軍連合部隊が収めた勝利は多大なものでした。

この勝利を通じて、人民軍軍人と人民は鋼鉄の総帥をいただく朝鮮は必勝不敗であり、最後の勝利は朝鮮のものだという自信と勇気をさらに固めました。テジョン解放戦闘があった時から数十年の歳月が流れましたが、戦争勝利の歴史と共に輝く百戦百勝の真理は今も朝鮮の軍人と人民をさらなる勝利へと呼んでいます。

また一人の総帥である敬愛する金正恩元帥をいただいて、朝鮮の百戦百勝の誇らしい歴史は輝き、朝鮮の前途にはより大きな勝利が約束されています。

天賦の軍事戦略家で、鋼鉄の総帥である偉大な金日成主席は1950年代初めのアメリカの侵略を退ける朝鮮人民の祖国解放戦争の時、独創的な戦略戦術と戦法でアメリカに恥ずべき敗北を与えました。その中にはテジョン解放戦闘*1もあります。

チュチェ39（1950）年7月、人民軍部隊は敵軍が「不撤退の線」と豪語していたクム川を一気に渡河し、テジョンに攻めかけました。慌てふためいたアメリカは戦略上重要な拠点で、リ・スンマン傀儡集団の「臨時首都」であったテジョンに武力を集中しました。

金日成主席はチュチェ39（1950）年7月中旬、一身の危険をものともせず、前線司令部を訪れ、テジョン解放作戦の成功のための課題と方途を明らかにしました。主席は前線左翼の人民軍部隊がテジョンの南東側に進出していない状況下で、すでにテジョンの南西側のロンサン一帯に進出した前線右翼の人民軍部隊の一部にテジョン南東側へ急速に迂回して、敵の退路と増援を遮断するようにしました。これは主体的で独創的な包囲戦法、迂回戦法でした。

主席が示した作戦案によってロンサン一帯まで進出した人民軍部隊の一部は一夜の内に40キロ以上も強行軍してテジョンの南東側へひそかに機動し、敵軍を完全に包囲しました。米軍は完全に包囲されたことを全然知らずにいました。と言うのは、人民軍がいくらずば抜けていると言っても米軍が占めている防衛線を切り抜いて背後を遮断することが出来ないと信じていたからです。主席の包囲戦法によってテジョン市内の敵軍は袋のねずみのように完全に包囲されました。

チュチェ39（1950）年7月20日の午前5時、主席はテジョン解放の総攻撃命令を下しました。砲部隊の援護射撃の後、一斉に攻撃に移った人民軍兵士は敵軍の防御陣地を一気に突破し、猛烈な市街戦を行なって敵軍を掃滅しました。およそ7時間の戦闘の結果、2万4000人の敵軍を殺傷、捕虜にし、150門の各種砲と1000台余りの軍用車など多くの戦闘機材を破壊し、鹵獲する戦果が収められ、テジョンは解放されました。

米軍第24歩兵師団長ディーンは命を救うため、粗末な兵士服を着て逃げていく途中、年若い人民軍の兵士に捕えられました。敵軍は「無敵の上昇師団」を豪語していた第24師団の壊滅に驚愕を禁じえず、悲鳴を上げました。

このようにテジョン包囲戦は臨機応変の知略で人民軍の巧みな機動を組織し、完全な包囲網を成功させた偉大な金日成主席の卓越した用兵術による包囲戦でした。