熱烈な愛国者

熱烈な愛国者

ピョンヤンの都心を流れるテドン川*1の岸辺に建てられたアメリカの侵略船「シャーマン」号撃沈記念碑を多くの人が訪れています。記念碑にはこう刻まれています。

「熱烈な愛国者であるキム・ウンウ先生を始めピョンヤンの人たちが朝鮮を侵略したアメリカの侵略船『シャーマン』号を1866年9月2日、テドン川のハンサジョンの早瀬で撃沈した」

祖国解放戦争勝利記念館のウォン・ヨムさんの解説です。

「この石碑は1986年9月2日に建てられましたが、アメリカの侵略船『シャーマン』号を撃沈したキム・ウンウ先生を始め愛国心に燃えたピョンヤンの人たちの壮挙を今に伝えています。人民軍軍人と人民はこの石碑を見て国と民族を熱く愛したキム・ウンウ先生の尊い生涯を振り返っています」

キム・ウンウ先生は当時のピョンヤン*2のチュンソン里*3というところに生まれ育ち、1860年代に地主の墓所を管理することにしてマンギョンデ*4へ移りました。1866年の夏、アメリカの侵略船「シャーマン」号がテドン川に侵入しました。

久しい前からアジア諸国に対する略奪行為を働いて来た「シャーマン」号は朝鮮の軍隊の将校まで拉致して人質にし、強盗丸出しに1千石の米と多くの金、銀、朝鮮人参を要求しました。そして銃砲を撃ちまくり、やたらと人を殺して財物を略奪し、婦女を強姦しました。

ピョンヤンの人たちは侵略者の野蛮行為に怒りを禁じえず、侵略船を撃沈する闘いに立ち上がりました。しかし当時、国の防衛力が弱かったため、火縄銃と矢、棍棒しかありませんでした。キム・ウンウ先生は火責め戦術で侵略船を掃滅することを提案し、決死隊を組んで薪を積んだ小船に硫黄を撒き、火をつけて敵船へ流しました。

「シャーマン」号は焼き払われ、火薬庫が爆発して沈没しました。シャーマン号の撃沈は朝鮮人民の反米闘争での歴史的な初の勝利、民族の歴史に特筆すべき出来事でした。シャーマン号が撃沈した後、アメリカは船の行方を調べるという口実で軍艦「シナンドアー」号*5を又もや、テドン川の下流にまで侵入させ、殺人と放火、略奪をやたらとしました。

しかしキム・ウンウ先生の呼びかけに答えた義兵と官軍によって当然の懲罰を受けました。