劇映画「キキョウの花」

劇映画「キキョウの花」

チュチェ76（1987）年
朝鮮4月25日劇映画撮影所制作

シナリオ：リ・チュング
監督：チョ・ギョンスン
撮影：パク・セウン、チェ・テグク

劇映画「キキョウの花」は山奥の或る小さな村がバックとなっています。映画はヒロインのチン・ソンリン*1をはじめ村人達が、人の住めない所だと言っていた故里を住み良い楽土につくる過程を見せています。

「キキョウの花は山の中で見なくちゃ、その美しさは語れないもの」

「それでキキョウは深い山奥だけに咲いているわ」

「ツツジはこれ見よがしと山の裾に咲いても、キキョウはなかなかのはにかみ屋で、人の眼を避けて独りぼっちでさくんだって」

「これがまともな生活かよ、映画もろくに見られない、新調の服も用なしだ、耕し、植え、刈り入れの繰り返しだけ…」

―およしよ
―まだ電気も引かれていない辺鄙なところ

―あんたが描いたものでしょう？
―うん、おれが描いたのさ

「これらすべてが偽りで、あんたの希望も、恋も偽りであることを証明して行くんだわ」

「私も信じるわ、ある人は100年経ってもできないと言ってるけど、私は10年の内に…死ぬようなことがあっても10年の内に…」

♪　山奥にひとり咲いてる花
♪　見る人はいなくても
♪　楽園となった故郷を歌いたくて
♪　笑って咲いたの

映画は、幸せは自分の手で築くべきで故里を愛しない人は故里の前で、母なる祖国の前で責務を果たしたとはいえないという生活の真理を、臨場感溢れるシーンに乗せています。

劇映画「キキョウの花」にチュチェ76年（1987）9月、第1回『非同盟及び発展途上国の平壌映画祭』で最高賞の“烽火の金賞”が授けられました。

（芸術）

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