遠く離れていても

遠く離れていても

朝鮮に近くに座して親しみ増すということわざがあります。そして、目から去るものという言葉もありますね。しかし、今日は遠く離れていても変わらない熱い情についてのお話をしましょう。

話題の主人公は2人の娘で、ピョンヤン*1にいるペク・ウンファさんと北部のハムギョン北道*2キョンソン郡*3に住んでいるペクさんより1つ年下のパク・ソルオクさんです。

ピョンヤンの娘のペクさんは中央銀行ピョンヤン市ポトンガン支店に勤めており、ハムギョン北道の娘パクさんは傷痍軍人です。8年前のある夏の日、ピョンヤン駅の前を通り過ぎていたペクさんはキムマンユ病院*4に行く道を尋ねるある女性に出会いました。詳しく道を教えてあげたペクさんがその女性の行く方へ目をやると車椅子に座っている若い女性がいました。

2人にお供して病院に行きながらペクさんは車椅子に座っている女性が傷痍軍人であることを知りました。

「正直に言って大学時代に、また社会に出てからも傷痍軍人の家をよく訪ねたものですが、みな年を取った人たちでした。その人たちを見て、国のため多くのことをした人たちだと尊敬の念を抱いたのです。しかし、私と同じくらいの年のパクさんに会ったとき、いろいろと考えさせられました。パクさんも夢が大きかったはずなのに、助けてあげたいと思い、車椅子から解放させてあげたかったです」

ピョンヤンの娘のペクさんはほぼ毎日のように病院に行き、どんな治療を受けているのか、入院生活に必要なものはないのか細かく気を使い、実の姉のように思ってねと優しく言いました。真心こもるその言葉を聞き、ペクさんが持ってくるご馳走を食べ、傷痍軍人のパクさんは実の姉に対するように甘えたりもしました。

5年間、毎年、ピョンヤンに来て治療を受けるパクさんのため、ペクさんは肉親にも勝る情を注ぎました。キムマンユ病院の医師とペクさんの真心によって、パクさんの健康はだいぶ良くなり、故郷の郡の病院で治療を受けてもよい状態になりました。ペクさんはパクさんのいるキョンソン郡に頻繁に電話をかけました。

こうしていたある日、中学校の同窓生に会ったペクさんは同窓生が中学校時代から親と一緒に訪れていた参戦老兵の家を15年が過ぎたそのときも変わることなく訪れていることを知りました。ペクさんは強く胸を打たれました。ソルオクがピョンヤンで治療を受けられなくなったとして、私に出来ることはこれ以上ないと思っていたのに。ソルオクが本当に私の妹であってもそうしただろうか。

それ以来、ペクさんは母と一緒に補い薬と小説の本などを小包でパクさんに送りました。小包が届くたびにパクさんは近くにいる実の姉の情を感じました。遠く離れていても心はいつも近くにあるピョンヤンとキョンソン郡の2人の娘でした。

「ソルオクと付き合って情が移り、実の妹のように思われます。姉しかいなかった私が遠くのキョンソン郡に妹を持つことになりました。妹のソルオクが必ず立つようになり、夢をかなえることを望んでやみません。しかし、ソルオクに捧げる私の心がまだまだ足りないようです」

ペクさんはパクさんと約束をしました。

立つようになれば一緒に並んで写真を撮ろうと。

（今日の朝鮮）