笑いいっぱいの家

笑いいっぱいの家

ピョンヤンの都心を流れるテドン川*1、その中州のルンラ島*2にはルンラ人民公園があります。

この公園に市民にとても人気の笑いの家があります。文字通り、いったん入れば出てくるまで笑いが止まらないところです。色々な形の鏡にお客の変わった姿が映り、爆笑を誘いますが、毎日、数百人がここで楽しい一時を送っています。

誰もが鏡の前で色々なポーズを取ってみて笑いこけています。同じ鏡でも体の各部位が変わった形に映り、好奇心旺盛な子供たちを掴んで放しません。上の部分には真ん丸い顔が、中の部分には太った体が、その下に馬鹿に長い足が映る鏡に子供たちが見入り、大いにはしゃいでいます。

中でも一番の人気は、センサー付きカメラが取り付けられた電子鏡です。捕らえられた映像は歪みの効果を出すプログラムによって数十の形に変わります。来客は軽快な音楽のリズムに合わせてポーズを取り、電子鏡に映る滑稽な表情や姿勢に爆笑します。

みるみる膨れ上がっては上下に長く伸び、または、横に伸びる顔の形に子供たちはおなかを抱えて笑い崩れます。もっと太りたい、背が高くなりたい、低くなりたいとの願いがここではゆうに叶えられます。

四季を問わず来客の笑い声が止まらないこのルンラ人民公園の笑いの家は、ピョンヤンの自慢であるルンラ島の風致を一層引き立てています。そもそも、ルンラ島とは、テドン川の水面にしだれる柳が清い水に絹を垂らしたように美しいと言う意味でそう呼ばれました。今は冬なのでしだれ柳の青葉は無いのですが、この笑いの家で幸せそうな笑いの花が咲いているのです。

社会主義制度の下で季節を問わず笑いの花が咲くルンラ島はそれこそ笑いの島だと言えましょう。