涙を誘う撤退命令

涙を誘う撤退命令

チュチェ99（2010）年の夏にあった事です。当時、朝鮮北部のアムノク川地区は例年にない自然災害に見舞われました。

敬愛する最高指導者金正恩委員長は即時、人民軍部隊に人民の生命と財産を救い出す命令を下しました。そしてアムノク川*1の堤防もしっかり築き、そこの人々が自然災害という言葉を知らずに住むようにするべきだと強調しました。

金正恩委員長の命令を受けた人民軍軍人たちは逆巻く水と暴雨の中で、生死の岐路に立たされていた大勢の人々を救い出し、堤防工事に本格的に取り掛かりました。

ところがその工事が簡単なものではありませんでした。激しく降りしきる雨で一寸先も見分けがつかない上に、長時間、水の中で作業を行わなければならない最悪の状況でした。

軍人たちは荒れ狂う水の中でも、もっぱら、金正恩委員長が望むとおりに、人民に幸せな生活の場をもたらす一念で、厳しい自然との決戦を繰り広げました。軍人たちの仕事振りに誰もが深い感動を覚えました。

アムノク川の堤防工事が成功裏に終わった時、そこの人々はわが子も同じ軍人たちに質素なものとはいえ、食事をもてなそうとしました。ところが、作業に動員された部隊の指揮官が、今朝、部隊の軍人みなが撤退したと言うのでした。

こんなこともあるものかと、指揮官に恨めしいことを言うと、指揮官は人民に少しの不便も与えてはならないと言うのが金正恩委員長の意志だ、自分たちは委員長の命令を受けた人民の軍隊だと言うのでした。

そして部隊の指揮官は昨晩、そこの人々の気持ちを察した金正恩委員長が、本当に良い人民だ、その誠意はありがたいが、人民に少しの不便も感じさせてはならないと言って、即時、撤退するよう命令したとのことでした。

そのことを伝え聞いた幹部たちも、被災地の住民も感激を抑えきれず、涙を流しました。

涙を誘う撤退命令、それは人民の便宜を最優先、絶対視する金正恩委員長ならではの人民愛こもる命令でした。

（今日の朝鮮）