民族器楽の発展に尽くした30数年

民族器楽の発展に尽くした30数年

朝鮮中部のファンヘ北道*1にあるサリウォン芸術学院*2には30数年間も教育に全身全霊を捧げてきた誠実な教育者がいます。民族器楽講座の講座長キム・ミランさんです。

音楽に天賦の素質があるキム・ミランさんのことを多くの人が、これから立派な芸術家になると言いました。しかし、キムさんは民族楽器を教える教員になりました。キムさんは民族の英知と魂が宿っている民族楽器を巧みに演奏する音楽家をたくさん育てる一念に燃えました。それで新しい演奏法と曲を作るため夜を明かしたことが一度や二度でありません。

キムさんはいつも教え子たちに、自分のものを大事にし、さらに輝かす愛国の心を持って楽器を学ぶべきだと教えました。キムさんは雅やかな民族固有の音色を表すヤングムという楽器と共に、伝統の打楽器のチャンゴも教えました。

昼は民族楽器の授業に、夜は徹夜で授業に必要なビジュアル教材の製作と小論文の執筆に没頭し、ヤングムの演奏法をさらに完成しました。数年間の苦心が報われ、共和国で初めてヤングムの演奏法についての論文を執筆し、学位を授けられました。

その後も、民族器楽をさらに発展させようとの一念に燃え、民族器楽の教育と発展に精根を打ち込みました。その日々に、キムさんは「ヤングムの演奏でリズムを生かす問題」を始め10余りの価値ある小論文を発表し、10余りのヤングム器楽曲も作曲しました。

努力の甲斐あって門下生の多くは全国範囲の芸術個人コンクールで優勝し、新作のヤングム器楽曲は斬新で独特なもので絶賛を博しました。国ではキムさんの功労を高く評価して国レベルの大会にも参加させ、勲章も授けました。

キム・ミランさんはこう語ります。

「教え子たちがコンクールで優勝し、舞台で民族楽器を演奏して名をはせるたびに教員として人一倍の誇りを感じます。こうした誇りを胸に才能のある音楽家をより多く育てるため知恵と情熱の限りを尽くしたいと思います」