母性愛についての昔話

母性愛についての昔話

人間愛は、偉人には欠かせない主な表徴です。人民愛の最高の権化である偉大な金正日総書記は、常に幹部たちに、母の思いで人民を顧みるようにと言いました。総書記の人民愛の精神は、総書記が聞かせてくれた昔話にもそのまま映っています。

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遠い昔、ある山村に9人の子を持つ母親が住んでいました。
子の多い親は心配が絶えず、心の安らぐ暇がないと言います。
その母親も子たちのため大変苦労したので、早く老け込み、病床に伏してしまいました。
余命幾ばくもない母親のため、9人の子は色々な食べ物を持ってきましたが、母親は何も食べようとしませんでした。
長男は泣く泣く言いました。
「母さん、私たちの真心が足りないのではありませんか。何が食べたいのですか」
すると、母親は一言、「鶏肉が食べたいね」と言いました。
みなが一瞬、目を丸くしました。
一生、鶏肉を食べなかった母親でした。
たまに鶏肉が出来た時も、ジンマシンが出ると言って、1人で乾し菜の汁を食べたのです。
枕元で看病していた娘が、「母さんは鶏肉を食べると、ジンマシンが出て、頭が痛いと言ったのではありませんか。鶏肉を食べるなら、病勢が改まるはずなのに・・・」と涙声で言いました。
ぼんやりと娘を眺めていた母親は、ようやく口を開きました。
「お前たちにも少ししかあたらないのに、私まで食べる鶏肉があるものか。それで、母は・・・」
「では、私たちのために、一生、鶏肉を食べなかったと言うことですか」
9人の子は、母の深い思いやりに喉が詰まって、涙を流しました。
すぐ、肥えた鶏1羽を潰して、母親に上げました。
子たちに優しい視線を送っていた母親は、「私は末期だから、食べても役に立たない。病み上がりの末っ子に食べさせなさい」と言って、息を引き取りました。
母親は最後の願いまでわが子のために捧げたのです。
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話を終えた金正日総書記は、母の思いはこのように深いものだ、母の思いで人民を顧みるように、というのが労働党の要求だ、と言いました。

（偉人伝）