母の一生

母の一生

共和国の発展の歴史に奇跡的な飛躍の時代として印されたチョンリマ時代には、他人を助け、他人のために自分を犠牲にするのが日常のこととなり、英雄も数多く輩出しました。その中には、英雄称号を受けた助産婦のチェ・ジョンシムさんもいます。博士号を取得したチェさんは朝鮮人民の間に広く知られています。

チュチェ48（1959）年4月、当時の助産婦養成所を卒業し、カンウォン道*1ヘヤン郡*2で仕事を始めて7ヶ月にしかならなかったチェさんは、偉大な金日成主席の臨席のもとに開かれた全国医療従事者会議で発言をする光栄に浴しました。この日、金日成主席は、ヘヤン郡内の全ての女性に朝鮮労働党の医療政策を粘り強く解説、宣伝し、一人残らず分娩の世話をすることを誓ったチェさんの決心を聞いて、誰よりも先に拍手をし、極力支持しました。

その後、チェさんは、郡内の妊婦全員を登録して、みなに党の医療政策を解説し、その人たちの安全な分娩のため、ベストを尽くしました。その日々に、チェさんは80人余りのアシスタントを育て、当時の郡保育員学校の生徒たちにも分娩の世話ができる教育を与えました。

チュチェ50（1961）年6月、再び全国模範医療従事者会議に参加したチェさんは、主席に郡内の全ての女性を対象に分娩の世話ができるようになったと誇らしく言いました。普通の娘の助産婦が行ったことをとても喜び、主席は君は本当に素晴らしい党の娘だと重ねて高く評価しました。

主席のはからいで、当時20代だったチェさんは朝鮮労働党に入党し、労働英雄の称号を授かりました。その後、名うての医療従事者になったチェさんは、1980年からピョンヤンに新築された総合的な産科病院のピョンヤン産院の医長を務めました。

辺鄙な山間の郡の助産婦だった自分を英雄に育ててくれた国の恩に報いようと、チェさんは一生を通して真面目に働きました。チェさんの真心と献身によって九死に一生を得た女性や産声を上げた赤ちゃんがどれほどなのか知りません。定年退職の後も、チェさんは、安らかな余生を過ごしていただきたいとの子たちの思いとはうらはらに教員を務め、多くの図書と論文を執筆しました。

チェさんの娘のチャン・ヨンヒさんは母の一生を度々思い起こすと言っています。チャンさんは幼い頃から、英雄であり、国中が知っている母のことをいつも自慢しました。けれども、わが子より産院の赤ちゃんのことを先に思い、職場に付きっ切りの生活をする母のことを恨んだときもありました。物心ついてから、職業を持ってから母についてよりよく知り、一層尊敬するようになったそうです。

チャンさんは、今も、国の津々浦々から送られる赤ちゃんの満一歳の記念写真や手紙を見て、このときが一番幸せなときよと言って喜んだ母の姿をよく思い起こしています。そして、臨床の経験と医術を一冊の本にまとめて次の世代に譲り渡すのは一万人の人の命を救うのも同じだと言い、老年期にも本の執筆に心魂を傾けていた母と自分を比べて見ました。

そうするたびに、チャンさんは、人の命を守る医療に携わる、これは何にも増して甲斐ある仕事だといって、一生を通して変わらない姿で一筋の道を歩んできた母のように、自分も子たちが自慢する立派な母になろうと決心を改めています。

（フィーチャー　愛します、お母さん）