歌手の卵を育てる誇り

歌手の卵を育てる誇り

ピョンヤンのテドンガン区域*1のムンス小学校にパン・キオクという先生がいます。40年余りのキャリアの先生ですが、今も歌手の卵を育てています。

民謡歌手になること、これが幼いパンさんの夢でした。けれど桧舞台でなく、教壇に立ちました。パンさんは芸術の才能を持つ生徒たちを見つけ出しては将来の立派な歌手に育てるため努めました。初めての門下生が専門学校にスカウトされる時、パンさんは教育者の誇りを感じました。

パンさんは新しい世代のために一生を捧げることを決心しました。パンさんが特に力を入れたのは民族声楽教育でした。民謡を通じて生徒たちに朝鮮民族の優れた点を深く植えつけようとの思いからでした。しかし幼い生徒たちに発声法を始め声楽の原理を覚えさせると言うのは生易しいことではありませんでした。

パンさんは夜を更かして専門書を読みあさり、芸術団に足を運んで協議しあい、研究を重ねました。それに基づいて生徒たちの特性と童心に合う科学的な教育の方法を編み出しました。

尽きることのない努力は実を結びました。国レベルの祭典とコンクールで毎年、パンさんが受け持つ生徒たちに対する評価は高く、芸術公演では観客の絶賛を博しました。また多くの生徒たちが人民に親しまれる才能ある芸術家に、実力タイプの教育者になりました。

パン・キオクさんはこう話しています。

「生徒たちを育てる過程にもどかしく思われるときも多々ありました。でもその生徒たちが祭典とコンクールで１位になり、また、専門学校を経て１人前の芸術家に育った時は本当に、わが子のえらい姿を見る思いでした。手間をかけて育てた教え子たちは先生の誇りと言いますが、まさにそのとおりだと思います」

教え子の成功はすなわちパンさんの成功でした。パンさんの夢と理想は教え子によって叶えられました。

（今日の朝鮮）