朝鮮民族の財宝「朝鮮封建王朝実録」

朝鮮民族の財宝「朝鮮封建王朝実録」

「朝鮮封建王朝実録」は朝鮮封建王朝の歴史が記録されている文化遺産です。朝鮮封建王朝は1392年から1910年まで存続した朝鮮の歴史の最後の封建国家でした。

社会科学院民族古典研究所の研究員、アカデミー会員候補、教授、博士のチェ・ドンオンさんのお話です。

「朝鮮の他の歴史書や外国の歴史書に王朝の全歴史を『朝鮮封建王朝実録』のように長期にわたって、日にち別に欠かさず、記録したものはほとんどありません。この本では朝鮮封建王朝時代の歴史を27代の王朝別に区分して、王が即位した日から退位した日までの歴史的事実をほとんど毎日のように記録しています。ということでこの本は『政府日誌』とも言える貴重な歴史書であり、国宝価値のある朝鮮の貴重な民族古典遺産です」

「朝鮮封建王朝実録」は王が変わる度に編さんされました。王が変われば実録庁と言う非常設機関が設けられ、先王の実録を編さんするのが通例でした。当時、実録の編さんを担当した春秋館と言う常設機関もありました。史料を集めた人たちはその史料の客観性と真実のため、史料を加工せず、そのまま年月日によって編成しました。

政府機関はもちろん、王も含めて中央と地方の官吏の現行業務処理の状況とその人たちの私生活に至るまで、それが善行であれ、悪行であれ、事実そのまま欠かさず記録しました。庶民の動きと生活一般についてまで社会現象全般をそのつど、そのまま反映しました。天文と気象、水利、地質の異常現象と動植物の変態に至るまで自然現象全般についても毎日、記録しました。

「朝鮮封建王朝実録」の史料は制限された範囲内のものとはいえ、封建時代の他の歴史記録に比べて比較的、客観的な真実が保障され、膨大な量と史料の豊かさによって大きな価値があります。

アメリカの侵略を退ける1950年代の朝鮮戦争の時、「朝鮮封建王朝実録」は敵軍の空爆によって全焼する危険にさらされました。この時、偉大な金日成大元帥は実録を救出する作戦を指揮しました。こうして「朝鮮封建王朝実録」は保存されました。

「朝鮮封建王朝実録」は共和国政府の正しい文化保存政策によって今も、国宝として大事に保存されています。そして、数百冊の翻訳版が出版されて教育と科学研究に積極的に寄与しています。