朝鮮の味噌

朝鮮の味噌

生まれてご飯食べる時
覚えた味
お母さん手塩かけた
おいしい味噌だった
民族の香り一杯
その味なんともいえない
あ、朝鮮の味噌、なんともいえない

「味噌の歌」、朝鮮人民は誰もがこの歌を好んで歌っています。それはこの歌に民族の香りが一杯漂っているからでしょう。国ごと、民族ごと伝統の食べ物があるように、味噌は朝鮮民族の伝統の食べ物、食生活には欠かせないものとされています。

味噌は大豆と大麦、とうもろこしなどの穀物と食塩でつくった発効食品です。昔から朝鮮人は大豆と大麦を充分に蒸してねかした麹（こうじ）で味噌を作りました。こうしてつくった味噌は汁と煮付けなどの基本の調味料として利用したり、そのまま食べたりしました。

昔、この味噌が婚礼の際の納采のひとつにまでされたといいます。また、美味しい味噌を作る家は幸に恵まれるということわざがある程です。それだけ味噌はその家特有の気風と主婦の手並み、気立てをそのまま見せるものでした。

この味噌にはタンパク質と脂肪、そして必須アミノ酸が含まれているので風味を出します。また糖質と各種ビタミンなどの栄養物質も沢山入っていて動脈硬化と心臓病の防止、健康維持に効果的です。 一般的に民間で作ったのを麹味噌と呼んでいますが、味噌生産の工業化が実現した今なお、個別的な家庭では自製の麹味噌を作って食べています。仕事の関係で外国へ出張中の人たちもこの味噌の味を懐かしんで「味噌の歌」を歌ったりします。味噌料理を専門にする食堂も沢山あります。

ピョンヤン市チュン区域にあるピョンヤン味噌汁専門食堂は人気があります。食堂では自製の麹味噌を使っています。毎年12月に大豆を蒸してねかし、これに食塩を加えて、次の年の4月始めに味噌をつくります。

責任者のキム・ヨンヒさんのお話です。

「食堂では従業員が麹味噌を自分で作っています。これで味噌汁だけでなく、豚肉と貝のスープなど色々な食べ物を作って出しています。麹味噌は栄養価が高く、さっぱりした味に甘みなども含まれていてお客のみなが喜んでいます」