朝鮮での子供の権利、女性の権利の実現を見る

朝鮮で真の意味での子供の権利、女性の権利の実現を見る 1

チュチェ105年（2016）12月に発表された、アイルランド朝鮮友好協会会長のイリーナ・マレンコさん書下ろしの文『朝鮮で真の意味での子供の権利、女性の権利の実現を見る』、第1回です。

今年初め私は、『母親の目で見た朝鮮』という動画を朝鮮の友人に助けてもらって完成した。近年訪朝して感じた所感を披瀝したもので、朝鮮中央テレビで放映され、朝鮮の声のホームページにも載ったが、想像以外の反響を呼び起こした。

アイルランドだけでなく欧州の各地で、更にはアジアでも称賛の声が聞こえてきた。朝鮮の今をそのまま反映している、それを通じて朝鮮についてもっとよく知る事になった、という事である。それは私に対する賛辞といえる。いや、真の意味での『人間の世の中』である朝鮮に対する賛辞だといえよう。

朝鮮の声宛にも多くの視聴者の方々から、動画を見た感想が送られたという。だからといってこの動画を見た人皆がよい事ばかり言ったのではない。朝鮮について偏見を持っている一部の人達は私を異端視扱いし、警察の監視の下に置かれる人だとまで言った。その言葉は中々気に入らないものだが、かといってその人たちを恨む事もない。動画に出る素晴らしい世の中を事実として信じるには、朝鮮に対する理解が余りにも不足しているからだ。

朝鮮の事を、人権侵害が甚だしい国だと事実無根の宣伝をしている人と、それを鵜呑みにしている人、専ら真実だけを打ち明けた私の動画を冒涜する人達に聞いてみたい。果たして朝鮮という国に、一度でも行ってみた事があるのか。

私はこの文で、そうした人達に真の人権がどこにあり、朝鮮についての西側の宣伝がどれほど欺瞞に満ちたものなのか、心から悟って欲しいという思いで、前の手記で言い尽くせなかった話を続ける次第である。

一

人権について言う時、先ず挙げられるのが子供の権利である。

というのは、子供の権利を守るのが国と民族の発展、人類の未来に係わるとても重大な問題だからである。また、精神的肉体的に家庭と社会、国の特別保護を受けるべき子供の事情とも係わるといえる。その社会の進歩的な面を知るには、子供を見てほしいというのもそのためであろう。

朝鮮は正に『子供の王国』だと断言出来るほど、子供の権利が最も立派に実現した国である。

子供の権利についての国際的な基準は、1959年の国連総会の決議で採択された『子供の権利に関する宣言』である。そしてそれを国際法規として決めたのが、1989年の国連総会で採択された『子供の権利に関する条約』である。この国際法規は今、個々の国の子供の権利の実態を計る基準となっている。

ところがこの条約の規範を未だに認めていないアメリカが、1990年に条約に署名し加盟しているだけでなく、その要求を最も立派に実現した朝鮮を人権蹂躙国として冒涜し、西側はまたそれをそのまま受け売りしているが、まったくもって黒白転倒の極みだと言わざるを得ない。

子供の権利に関する条約で主な条項である、『教育を受ける権利』一つを見てみよう。

国際人権規範では、子供達が義務的に無料で初等教育を受ける権利を持つと規定している。これにより国ごとに教育の年限と内容等で一連の差はあっても、子供に対する義務教育が法制化されている。しかし世界的に2億数千万人に達する子供が、武装紛争により教育はおろか命が危ぶまれており、人権裁判官を名乗るアメリカでは少年労働が法的に許容され、多くの子供が学校ではなく労働現場で苦役に苛まれている。

では朝鮮の現実はどうだろう。

朝鮮は子供の権利保障法で、子供は全般的12年制義務教育を受ける権利を持つという事を規定している。世界的に12年間の義務教育を法制化した国は、数カ国に限られている。先進国だというイギリスとフランス、ドイツ、スペインのような国でも、法的に決められた義務教育の期間は、9～11年である。数十年間アメリカと追従国の制裁と封じ込めの中にある朝鮮が、12年間の義務教育を何の前提条件もなく、完全な無料で実施するということ事態が、驚嘆に値する事だ。

朝鮮は、子供皆が自分の権利を思う存分行使し、何羨むもの無く幸せに育つよう国が深く配慮するという事も法制化している。こうした法的保護の中で朝鮮の子供皆は、国が保障する最も立派な教育条件の下で思う存分学び、未来の担い手に育っている。動画『母親の目で見た朝鮮』に出る平壌学生少年宮殿と松涛園国際少年団キャンプ場をはじめ、世界一流の教育施設とそこで希望を思う存分花咲かせている朝鮮の子供達の幸せな姿は、法的に、制度的に、最も優れた子供の権利保障システムを持つ朝鮮の現状そのままである。

いつだったかホームページで、朝鮮西海の島の学校を紹介する、『一人の生徒の為の分校』という記事を見た事がある。私が住む西側世界では到底考えられない事で、訪朝して平壌の或る小学校を見学する機会に、ガイドさんに其れについて聞いてみた。その話によると、海洋国の朝鮮には島も多くあるが、灯台を管理する人をはじめ必ず必要な人だけが住んでいる小さい島が少なからずある。それらの島にも子供の為の学校があるという事だ。

そして深い山奥と離れ島のような地域の子供に対する教育条件を、人民政権機関が責任持って保障するよう、朝鮮民主主義人民共和国の子供の権利保障法に明記されているという。もちろん、島に住んでいる一人や二人の子供の為に別途に学校を設立せず、その子供達を陸にある学校で寄宿させながら勉強させる事も出来るだろう。

しかし島に学校を設立し教師を派遣するのは、両親の保護の下で成長する子供の権利まで考慮に入れた立派な教育制度であり、こうした教育制度は世界のどの国にも無いだろう。生徒が学校と教師の所を訪ねるのではなく、学校と教師が生徒の居る所を訪ねるこうした教育制度を、私は未だに見たことも聞いた事も無い。

島へ行って、世界に無い特権を行使する主人公に会いたかったが、時間が許さなかった。後で私は朝鮮少年団員の行事に臨席した金正恩元帥が、少年団の代表に会う歴史的な瞬間を見せるシーンで、その生徒の顔を見る事が出来た。小さい灯台島の子供が指導者に会い記念写真まで撮る現実を見て、朝鮮の立派な子供の権利保障制度がどこに根を下ろしているかを、胸熱く感じる事が出来た。

チュチェ105年（2016）12月に発表された、アイルランド朝鮮友好協会会長のイリーナ・マレンコさん書下ろしの文『朝鮮で真の意味での子供の権利、女性の権利の実現を見る』、第1回でした。

朝鮮で真の意味での子供の権利、女性の権利の実現を見る 2

チュチェ105年（2016）12月に発表された、アイルランド朝鮮友好協会会長のイリーナ・マレンコさん書下ろしの文『朝鮮で真の意味での子供の権利、女性の権利の実現を見る』、第2回です。

教育を受ける権利と共に医療ケアを受ける権利は、子供の生命と発展の権利に直結する権利で、子供の人権の重要なエレメントである。子供の健康保護制度の面でも、朝鮮は世界を先んじている。朝鮮の医療保険制度に世界が見習うべきものは、先ず、子供の健康保護の法律の実現を裏打ちする『無料治療制度』である。

拝金主義の西側諸国で金が無くて一人の子を失った私だけに、訪朝して医療施設の見学に多くの時間を割き、朝鮮で実施される全般的無料治療制度に深い感動を覚えた。滞在中、産科病院の平壌産院と玉流小児病院等の医療施設を見たが、どこでも立派な設備と環境、医療ケアが無料で提供されていた。

西側の先進国でも、医療保険の被保険者にかけられた範囲内で、無料で医療ケアを提供している。朝鮮の場合はそれと違い、医療ケアの対象と内容の範囲で制限が無く、皆に平等に適用される全般的且つ完全な無料治療制度である。つまり朝鮮では、病気の予防や治療の為の診察、実験検査、薬、入院治療の費用はもとより、療養や療養所への往復の旅費、健康検診、カウンセリング、予防接種、矯正器具の費用一切が国持ちで、この恩恵を特定の人でない誰もが平等に受けている。

私の娘も朝鮮に生まれ育ったなら、非命にして果てる事は無かっただろう。金が無くて治療に間に合えず、4歳で障碍者になり、20歳も越えられずに生を閉じた娘の事を思えば、今も断腸の思いがしてならない。

朝鮮での子供の健康保護制度でまた一つの特長は、教育と保健を密着させている事だ。子供の精神的、肉体的成長で教育と保健の結合は自然な事ながら、それを政策化し実現した国は、世界に朝鮮しかない。

初めてそれが分かったのは、平壌の玉流小児病院を見学した時だった。医療施設が現代的で医療ケアの質が高い事にも感動を覚えたが、子供にとってここが病院であり、学校であり、また家庭になっている事に強い衝撃を受けた。病院には教室があって、入院中カリキュラムに遅れて学籍が落ちないよう授業が行われている。また屋内と屋外に遊びのエリアもあって、病院と聞いただけで反射的に引き締まる子供が、ここを病院でなく我が家のように思っていた。

これが朝鮮で子供の教育と保健を結合した、第一の方式である。先進国の西側諸国でも、この流儀の病院は見た事がない。

教育と保健を結合した第二の方式は、子供の保育及び教育機関に医療システムが構築されている事だ。朝鮮では全ての託児所と幼稚園、学校はもとより課外教育施設にも専属医者がいて、国から医療機器と医薬品が送られている。予想外の子供の応急手当に当たらせるシステムである。

2014年、私は2人の息子と共に、松涛園国際少年団キャンプ場でキャンプ生活を楽しんだ。キャンプ場には専属の診療所があって子供の健康状態を刻一刻観察し、子供の診療に迅速に対応していた。私の息子達もその恩恵に大きく浴した。朝鮮のこうした立派な教育制度と保健医療制度は、子供皆を精神と道徳、肉体の面でしっかり育てる土壌となっている。

子供の人権で焦点となっている孤児の養育問題に、一つ触れたい。

どの国でも物乞いで延命する子供や、橋の下と地下道で寝泊りする子供の姿が見られる。ところが朝鮮には乞食や野宿の子は一人もいない。昨年の訪朝の際、西側と打って変わる朝鮮の風景に驚きを表すると、ガイドさんは翌日のスケジュールを変更して地方の育児院と愛育院に私を案内した。

施設の素晴らしさや子供の幸せそうな生活は、筆舌に尽くせがたい*1ものだった。親の居ない子供とは信じられないほど一点の曇りもない明るい顔、親心で子供を顧みる先生達の真面目な態度、現代的な保育教育施設。信じ難い現実にもしかして宣伝用ではないかと頭をひねったが、すぐ否定せざるを得なかった。「どこでも一番良い家は決まって育児院、愛育院ですから」と院長先生が説明したのである。実際のところ宮殿のような育児院と愛育院はどこにもあった。

資本主義諸国で、社会の一番暗い裏面となっている孤児達が、親の居る子も羨むほど幸せに育つ朝鮮の現実に、誰もが賛辞を惜しまずにいる。これほど見事な子供の権利保障制度を擁する朝鮮に対して、アメリカと追従勢力は、第71回国連総会第3委員会で『北人権決議』なるものを強行採決する醜態を演じた。この決議の作成者に、嘲笑を禁じ得ない。

朝鮮から一瞬たりとも目を放せずに監視して研究する専門家なので、当然金正恩元帥が元日に育児院と愛育院を訪れたニュースを聞いたはずで、また子供達が「お父さん」と叫びながら元帥の胸に抱きつく姿も見ただろう。また、世界に又とない見事な学青少年宮殿と少年団キャンプ場、子供百貨店と小児病院等、子供へのプレゼントが全て金正恩元帥の発案と指導によるものだという事を、熟知の上だろう。

ところがこの真実をその人達は喜ばないのだ。その人達に必要なものは、朝鮮を非文明の国、人間の自由と権利が無視される国というイメージを、世界に植えつける為の資料だけである。朝鮮の孤立押し潰しを国策とするアメリカの為政者の機嫌を取る文章を作るのが、その人達の本業であるからだ。拝金主義の資本主義では止むを得ない生存方式だが、ほんの少しの人間としての心があるなら、白は白、黒は黒とぐらいは正直に言ってほしいものだ。

真実は絶対覆い隠せない。

アメリカと西側が権謀術策で一時的なカムフラージュは出来ても、世界に又とない最も先進的な子供の権利保障制度があり、数百万の子供を一人残らず温かく包み入れて立派に育てる朝鮮の素顔を覆い隠すのは、絶対不可能である。

チュチェ105年（2016）12月に発表された、アイルランド朝鮮友好協会会長のイリーナ・マレンコさん書下ろしの文『朝鮮で真の意味での子供の権利、女性の権利の実現を見る』、第2回でした。

（世界と朝鮮）